終身保険の低解約返戻金タイプ

低解約返戻金タイプの終身保険です。(赤字の保険です)

最近は終身保険の主力製品になっています。

終身保険商品タイプ60歳前の解約返戻率最低保証保険料比較*1
終身保険80~90%あり基準
低解約返戻金型終身保険70%以下あり安い
積立利率変動型終身保険積立利率は毎月変動、保険金額・解約返戻金ともに変動あり同等
変額終身保険積立利率は毎月変動、保険金額・解約返戻金ともに変動なし一時払い
安い
外貨建終身保険保険金額・解約返戻金ともに契約時に確定外貨建
終身保険商品タイプの比較
*1終身保険を基準とした時の保険料

低解約返戻金タイプの説明に入る前に終身保険のポイントをおさらいしましょう。

これは忘れないでくださいね。

 

低解約返戻金タイプの終身保険を理解するには終身保険基本タイプと比較するとよくわかります。

説明にあたり注意して頂きたいこと

皆さんが理解しやすいように幾つかの保険会社のホームページよりデータを表示しますが、これは紹介した商品を勧めているわけではなく終身保険を理解して頂くために使用しています。


解約返戻金タイプは次のイメージで考えます。

1、保証期間

終身保険ですから契約後は解約をしない限り死亡するまで保証期間が継続します。

これは基本パターンと同じです。

2、保険料の支払期間

支払期間は契約時に定めます。

契約後支払期間を期間(5年、10年、15年)を定める、あるいは年齢(50歳、55歳、60歳、65歳、70歳)、あるいは終身と定める3つのパターンが多いようです。

基本パターンと同じです。

3、保険料の支払方法

毎月の引落、クレジット払い、半年に1回(半年払)、1年に1回(年払)などが一般的です。

保険料は、男性は女性より高くります。(平均寿命が短いため)

契約時の年齢が若い程安くなります。(生きている時間が長いため)

また、支払期間が長い程、保険料は安くなります。(解約返戻率が100%になるまでの時間が長いため)

この3つは覚えておくと良いでしょう。

基本パターンと同じです。

4、本当に死ぬまで?

保険商品によっては90歳と期限を決めている商品もあります、

平均寿命を超えると更新を求められる場合もあります。

契約前に確認しておくべきでしょう。

基本パターンと同じです。

5、支払う月額保険料と保険料総額

一例を示しました。

基本タイプ低解約返戻金タイプ
月額保険料4,260円4,140円
40歳加入60歳支払、契約保険金100万円、月払の保険料の比較
かんぽ生命ホームページより

低解約返戻金タイプの終身保険は基本タイプより毎月の保険料、支払保険料の総額はともに少なくなります。

数百円の違いですが、支払済み時の解約返戻金の受取額は同じです。

20年×12か月×(4206-4140)で差額を求めると28,800円の保険料が安くすみます。

この差額の受取り方は皆さん次第だと思います。

5、支払期間前の解約について

イメージ図で示しましたが、基本タイプより契約時に定めた支払期間前の解約は避けるべきでしょう。

基本タイプ低解約返戻金タイプ
60歳支払済後、解約返戻金額916,000円916,000円
50歳解約時の解約返戻金額446,200円307,580円
40歳加入60歳支払、契約保険金100万円、月払、途中解約時の解約返戻金の比較
かんぽ生命ホームページより

支払期限前の途中解約は返戻金自体が少なく、解約返戻率が70%以下に設定されます。

50歳で解約した場合の例ではその差額は138,620円と月額保険料の差額とは大きく違いことがわかります。

低解約返戻金タイプは途中解約時の損が大きな保険と言うことがわかると思います。

6、支払期間後の解約について

支払期間を過ぎると保険料の支払は無くなります。

生命保険としての保障は解約するまで続きます。

これは低解約返戻金タイプも同じです。

同様に預かった保険料の運用は続くため徐々に解約返戻金は増加します。

支払った保険料よりも多き額を受取れ、解約返戻率が100%を超えます。

支払期間を過ぎれば、基本タイプと低解約返戻金タイプに違いはありません。

違いは低解約返戻金タイプは支払期間前の解約のリスクが大きくなることです。

そのため、低解約返戻金タイプで契約された方はよっぽどの事情がない限り途中で解約することを避ける必要があり、それが出来れば基本タイプよりも保険料が安く済ませることができます。

7、終身保険低解約返戻金タイプの利用方法

解約をしないことが前提で契約する保険になります。

「生命保険」と「貯蓄」の2つの面を持つ保険です。

イメージとして定期積立に生命保険とプラスしたと考えると分かり易いと思います。

ただし、絶対に支払期間前の解約をしないことを忘れないでください。

では、基本タイプと低解約返戻金タイプをどのように使い分けるかを考えることにしましょう。

生命保険は死んだときに支払われる遺族に残す保険です。

200万円を葬儀費用として残すと保険を考えると途中解約は考えなくても良いでしょう。

ただし、人生は何があるかわかりません。

万が一急にお金が必要になった場合のことを考えると解約返戻金が少なくなるリスクは出来るだけ小さくしたい。

なかなか難しい問題です。

2つの例を紹介しますが、2例を参考に皆さんが終身保険に入る目的を「積立」を重視する、あるいは「保険」を重視するいずれかを検討してください。

保険加入年齢は30歳。

奥様、子供一人の家庭を葬儀費用を保険金額(200万円)とします。

30歳と言う年齢を考えると子供教育費、住宅取得も考慮する必要がある時期です。

家計(収入)に余裕がある場合の終身保険(低解約返戻金タイプ)

このプランは出来るだけ支払終了を早めに設定することで保険料は高くなりますが、解約返戻金の受取額が少なくなるリスクを短期間にします。

出来るだけ早く支払いを済ませ、貯金として保険商品を利用することが目的です。

例では50歳までに支払いを済ませ、子供が大学に入る頃の入学金等に充当します。

教育資金が他の預貯金で賄える状態であれば、そのまま貯金として保管、老後資金として利用します。

終身保険を解約した時には出来るだけ保険料の安い生命保険で200万円の準備を行います。

今回の例では支払終了を50歳に設定しましたが、経済的に余裕があれば、10年、5年と支払終了を早めることで保険料は高くなりますが貯金(積立金)としての選択肢、増加する金額が魅力です。

家計(収入)に余裕がない場合の終身保険(基本タイプ)

次も条件は同じです。

支払終了65歳と設定していますが、家計に余裕がない以上、解約せざるを得ないリスクは高いと想定しています。

そこで、解約返戻率が90%程度は期待できる基本タイプを選択します。

支払期間を長くすることで保険料を少なくし、これによりお金がかかる時期(住宅ローンや教育費の負担が大)に配慮します。

何事もなく65歳まで解約をしなければ積立として使用することができます。

また、解約をせずに生命保険として継続することも選択できます。

もちろん、老後資金が不安であればそのタイミングで解約を選択することも可能です。

 

2つの極端な例で説明しましたが、終身保険の低解約返戻金タイプの特徴、基本タイプとの違いは理解できたでしょうか。

どちらの保険タイプを選択するかは、終身保険の「積立」と「保険」の価値のバランスを考えるかと言うことです。

多くの生命保険は子供の教育資金や住宅ローンを支払時期が重複するため、もっとも効率的で効果的な保険契約が必要になります。

「何のために保険ですか」

これにきちんと答えられるような保険プランを立案することを心がけましょう。


終身保険の基本タイプについて説明しましたが少しは理解できましたか?

次回は老後資金用に終身保険を利用するには最適な低解約返戻金タイプの終身保険の説明をします。


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