住宅ローンの支払い方式、元利・元金はどちらを選ぶべきか

おいおい、元利均等、元金均等のメリット、デメリットはどこのサイトも扱っているテーマ。
何を今さら・・。
そうですよね。
確かにおっしゃる通りです。
フォーラムのためのおさらいなので・・。
元利均等返済 | 元金均等返済 | |
毎月の返済 | 一定額 | 徐々に減少 |
メッリト | 支払計画が立てやすい | 元利均等返済に比べ返済総額が少なくなる |
デメリット | 総返済額が多くなる | 返済開始直後の支払額が元利均等より多い |
元利均等、元金均等は住宅ローンの返済方法として皆さんも一度は聞いたことがあると思います。
元利均等が主流ですが、元金均等を選択さる方もいます。
金利タイプと違いローン返済中に元利均等、元金均等の変更することはできません。(借り換えをすれば可能)
このテーマではなぜ、元利均等方式、元金均等方式の違いを実際の数値を使用して説明します。
また、元利均等方式を選ぶ契約者が多い理由についても明らかにします。
その上で、「どっちが得でどっちが損なの!!」を感じて頂きたいと思います。
金利タイプとは別なこと
相談者の中には金利タイプと返済方式を混同されている方がいます。
返済方式はどの金利タイプでも選択することが出来ます。
例を示しながら説明します。
住宅ローンの返済例(この記事の中ではすべてこの条件で説明します)
借入金額 3000万円
返済期間 35年
ボーナス支払いなし
金利タイプ 固定金利
金利 1.46%(フラット35の金利 2022/10/1三菱UFJ銀行商品を参考)
どの住宅ローンの説明でもイメージ図が使われますが、実際のデータを見た方は少ないかもしれません。
返済計画の借入金残高の推移を比較します。
元金均等方式は直線的に返済額が減少しますが、元利均等方式は曲線で減少することがわかります。
元金均等方式(借入残高)

元利均等方式(借入残高)

この違いは、毎月支払う返済額を見るとわかります。(下記グラフ)
住宅ローンの毎月の返済額の計算式は元金均等、元利均等方式でも同じです。

元金均等方式は毎月の返済額から元金の返済額を一定額にする返済方法です。

これに対して元利均等方式は毎月の返済額を一定額にする返済方法です。

元金均等方式(返済総額・元金分・利息分)

元利均等方式(返済総額・元金分・利息分)

返済額の考え方が違うことはわりましたか?
金利タイプは返済期間中の金利(利息)を決める方法です。
利息支払い額の大きさは変わるけど、減らし方には影響しない!
変動金利タイプであろうと期間固定金利タイプであろうと返済方法には影響しません。

実際どの程度の違いがあるの?
ところでグラフを見て、元金、元利でそんなに違いがないと感じた方もいたかもしれません。
実際のデータを細かくチェックします。
住宅ローンの返済例(この記事の中ではすべてこの条件で説明します)
借入金額 3000万円
返済期間 35年
ボーナス支払いなし
金利タイプ 固定金利
金利 1.46%(フラット35の金利 2022/10/1三菱UFJ銀行商品を参考)
この条件で返済方法を元金均等方式、元利均等方式の支払総額を比較します。
総返済額 | 総利息額 | 元金総額 | |
元金均等方式(A) | 37,683,103 | 7,683,103 | 30,000,000 |
元利均等方式(B) | 38,332,636 | 8,332,636 | 30,000,000 |
差(A)ー(B) | -649,533 | -649,533 | 0 |

多いと感じる方、少ないと感じる方、それぞれで判断がわかれるかもしれません。
では、次に毎月の支払額を比較します。
月支払額 | 備考 | |
元金均等方式(A) | 107,928 | 初めがもっとも高い、その後減少 |
元利均等方式(B) | 91,268 | 返済期間中同額 |
差(A)ー(B) | 16,660 |
元金均等方式はローン支払い開始月で16,660円、多く支払います。

元金均等方式は次月以降、返済額が徐々に減りいますが、いつ元利均等方式と同じ支払額なるのでしょうか。
支払回数 | 年数 | 元金均等方式(A) | 元利均等方式(B) |
191 | 15年11カ月 | 91,416 | 91,268 |
192 | 15年12カ月 | 91,329 | 91,268 |
193 | 16年1ヵ月 | 91,242 | 91,268 |
194 | 16年2ヵ月 | 91,155 | 91,268 |
195 | 16年3ヵ月 | 91,068 | 91,268 |
16年1ヵ月目から元利均均等方式よりも返済額が少なくなります。

多くの方がこの点に難色を示す傾向があります。
その理由について考えてみましょう。
住宅購入は子供のため
住宅を購入する目的のひとつが子供のためです。
子供にとって良い環境を与えたい、資産を残したいと考える方が多くいます。
しかし、住居以外に、子供のためには大学までの教育資金の準備も重要になります。
そのため、結果として支払う利息の総額が多くなることは承知の上で元利均等方式を選択されます。

確かに利に叶った考え方です。
実際、子供が生まれた歳に住宅を購入したケースを想定するとよくわかります。

お金は時間軸で価値が変動します。
支出が大きい時期の差額16,660円は確かに大きな差です。
しかし、支出が落ち着いた時期であれば、16,660円は違う意味を持ちます。
例えば家を購入するまでに子供の教育資金の目途が付いているような方、私立を想定して貯蓄していたが公立に進学してくれたと言った方はこんな考え方もできます。

住宅購入者の多くは18歳未満のお子さんがいるケースが多く(マンション購入者の実態)、そのため、元利均等方式を採用される方が多いと考えられます。
しかし、元金均等、元利均等方式の違いは、利息の負担の時間的分散効果と利息支払い額の大小のメリット、デメリットです。
子供の教育費の貯蓄状況と住宅購入時の子供の年齢によって選択肢を増やすことも出来ます。
当たり前の様に元利均等方式を選択するのではなく、契約前に家計のキャッシュフローを確認した上で皆さんに適した返済方式を選択してください。
それぞれのご家庭にあった返済方式を選ぶことが重要です。
次回はボーナス併用払の有効性について確認することにします。
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