住宅ローンのボーナス併用は取入れるべきか?

住宅ローンにボーナス払いを設定することはよくあります。

「ボーナスがあるから一部でも返済したい」

当然のように言われますが、本当にそうなのでしょうか。

ボーナス併用払とはどのように計算されているのでしょうか。

今回のテーマです。

皆さんはボーナスにどのようなイメージを持っていますか?

まずはボーナスについて確認しましょう。

ボーナス・賞与って何?

定期給の労働者に対し定期給とは別に支払われる、別途の給料のことで、ボーナス やお給金とも呼ばれる特別配当・報奨金の類である。(ウィキペディア

法律的には労働基準法で「労働の対価」すなわち賃金の一つとされています。

月給は定期給与、月に1回以上支払うことが義務付けられています。

しかし、法律でボーナスの支給を義務化はしていません。

そのため、会社が支払うと決めた場合にのみ支払われる労使間の労働条件になります。

ここ数年コロナ禍の直撃を受け、業績が著しく悪化した企業ではボーナスの支払いを実施しなかった会社もあります。

ここで、確認すべきことはボーナスが当たり前に毎年半年ごとに支払われる定期給与ではないと言うことです。

これは返済期間が長い住宅ローンでは大きなウイークポイントになりかねないと言う点は覚えておくべきでしょう。

 

ボーナス併用払とは

では、住宅ローンの返済におけるボーナス併用の有効性の検討をしていきましょう。

ボーナス併用の返済方法を理解するために住宅ローンの例を用いることにします。

住宅ローン

借入金 3,000万円

返済方式 元利均等方式

金利タイプ 全期間固定金利

返済期間 35年

金利 1.46%

ボーナス月 年2回合計70回

(35年×2回)

ボーナス併用のあるなしによる返済計画の違いはローン返済計画の明細書を見ると確認することができます。

ボーナス併用の返済計画書は2つの支払明細から構成されています。

これはボーナス併用支払方法が2つのローン契約から構成されていることを示しています。

中には思っていたイメージと違うと感じる方がいるかもしれませんが、実例を示します。

3,000万円の借入金を年二回3万円加算の契約を35年返済で契約した例です。

3,000万円の借入金は2,790万円の元利均等方式のローンと210万円(35年×2回×3万円)の元利均等方式のローン契約に分かれて契約されます。

気になる支払利息

2つのローン契約と併用をしない契約で気になるのは支払利息の違いです。

支払方法ボーナス返済額総支払利息額支払利息(元利均等)支払利息(ボーナス)(a)との差額
ボーナスなし(a)08,332,6368,332,63600
ボーナス月2万加算1,400,0008,336,7497,943,761392,9884,113
ボーナス月3万加算2,100,0008,338,8707,749,377589,4936,234
ボーナス月5万加算3,500,0008,343,0017,360,464982,53710,365
ボーナス月10万加算7,000,0008,353,4146,388,3161,965,09820,778
ボーナス併用のあるなしによる支払利息額の比較

人によっては35年で数万円の差額の捉え方は違いますが、概ね差額なしと思っても大丈夫でしょう。

ボーナス併用のメリットとは

ボーナス併用のある、なしの大きな違いは定額返済の毎月の支払額です。

支払方法ボーナス返済額毎月の返済額ボーナス月返済額(加算額)年間返済額(a)差額
ボーナスなし(a)091,26801,095,2160
ボーナス月2万加算1,400,00087,00925,6141,095,336120
ボーナス月3万加算2,100,00084,87938,4221,095,392176
ボーナス月5万加算3,500,00080,62064,0361,095,512296
ボーナス月10万加算7,000,00069,972128,0731,095,810594
ボーナス併用のあるなしによる月、年間支払額の比較

ボーナスを併用することで毎月の返済額は少なくなりますが、年間支払額を比較するとほぼ同額であることがわかります。

ボーナス併用は採用すべきか

ボーナス併用の返済におけるメリットは、月の返済額を抑えることであることをお分かり頂けたと思います。

ただし、年間の支払額に違いこともわかり、さらに支払利息にも大きな差が生じないことがわかりました。

月の返済額を少なくしたい方は採用する選択もあると思いますが、忘れてはいけないことがあります。

それは、年間支払額に違いない以上、不確定要素があるボーナスに依存することです。

このテーマの最初にお話ししましたが、ボーナスはあくまでも企業実績により支払いが行われ、その額も一定ではなく変動します。

年間支払額が同じである以上、ボーナス支払いに大きな比重を置くと、いざと言う時に返済が滞るリスクがあることは忘れるべきではありません。

それさえ、理解した上で一定の貯えを準備する等の対策を併用すればボーナス返済は利用価値はあると思います。


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