住宅ローンの金利タイプの人気は?

フラット35、全期間固定金利タイプ、固定金利選択タイプ、変動金利タイプについて説明してきましたが、だいぶ金利タイプは理解できたのではありませんか?
では、次のテーマに進みます。
皆さんからよく聞かれる質問として「他の人は?」「皆さん、金利タイプは何を選んでいるの?」があります。

「他の方は他の方ですよ。自分で考えてください。」とお話ししますが、それでも知りたい衝動は止まないようです。
そこで今回は金利タイプの利用者の傾向を統計に基づいて確認することにします。
先程も書きましたが決して「〇〇タイプの利用者が多いから」と金利タイプを選ぶことは辞めてください。
各家庭で事情や契約者のリスクへの認識が違います。
それぞれの家庭で決めることが重要です。
使用する統計は住宅支援機構が公開している「住宅ローン利用者の実態調査」と「住宅ローン貸出動向調査」の2つです。
「住宅ローン利用者の実態調査」は住宅ローンを利用している方に対するアンケートに基づいています。一方、「住宅ローン貸出動向調査」は貸出す側である金融機関に対するアンケートに基づいています。
金利タイプの結果

圧倒的に変動金利タイプの利用者が多いことがわかります。
この傾向は2021年4月から大幅に増加していることもわかります。
全期間固定型、固定期間選択ともに徐々に減少しています。
やはり、変動金利の低さが大きな要因でしょう。
では、これに対して貸出す金融機関の金利タイプの重要・期待度はどうなのでしょうか?

やはり、金融機関も変動金利に期待しているようです。
意外だったのは固定期間選択型10年、全期間固定型が上位だった点です。
金利タイプとリスクのイメージ図で示しましたがもっとも返済計画の変更やローン破綻のリスクが高い変動金利に期待や重視をしているにも関わらず、次がリス気が低い10年固定、次がもっともリスクが低い全期間固定型を選んでいる点です。

金融機関としてはリスクが低く、金利が変動よりも高い全期間固定型がもっとも安全で儲けも大きいように感じますけど。
実はこれには裏があります。
変動金利の低さは住宅購入の動機付けとしては金融機関にとっては最大のチャンスです。
「安いよ!安いよ!今が購入のチャンスだ!!」
お客様に大いにアピールすることができます。
一方で本当に住宅ローンを支払えるのか~と不安もあって、出来るだけリスクの低い全期間固定型や10年固定金利型を薦めたい気持ちの表れだと考えています。

年収と金利タイプの関係
報告書では購入者の年収と契約した金利タイプの結果も掲載されていますが、これが実に興味深い。

比較的年収が低い家計と比較的年収が高い家計で同じような傾向になっていますが、金利タイプの選択理由には大きな違いがあるように感じます。
リスクを取りたくない契約者(年収が低いグループ)とリスクを取るぐらいなら家計に余裕もあるから安定した全期間固定タイプでも大丈夫と判断したグループと推測できます。
興味深いの800万円~1500万円の契約者の違いです。

あくまでも推測ですけど、こんなイメージでグラフを読むと何となく納得できませんか?
融資率と金利タイプの関係
次に融資率の金利タイプの関係を確認しましょう。
融資率は購入物件価格に対する借人金の割合を示します。
5,000万円の物件で頭金1,000万円、融資が4,000万円とすると融資率80%になります。
一般的には頭金は2割以上が安全と言われています。
融資率が80%以上ははリスクが大きいローンと言えます。
比較的安全な融資率が80%未満の契約書の金利タイプは変動金利タイプが少なく、一定期間リスクを回避できる選択タイプで契約する方が多いことが特徴です。皆さん変動金利のリスクと金利の低さで悩まれた結果と考えています。
特に融資率が50%以下、十分な頭金を用意出来た方(恐らく買換えが多いのでは?)は、多少高い金利で支払ってもリスクがない安定的な支払計画ができる固定金利タイプを選択した方が多いのではないかと考えます。

「チャレンジャー領域」と命名した枠が融資率80%以上の契約者です。
融資額が多く、金利の高低が支払額に大きく影響するため、将来へのリスクはあっても返済総額が少なくなる変動金利タイプを選ぶ方の割合が多くなります。
「これからも低金利が続く、大丈夫だ!」と考えた方々です。
一方でリスクのある融資額である以上、返済計画には無理はしないと考える堅実タイプも半数程度はいることがわかります。
借りるお金が多きなると選択する金利タイプもはっきりと分かれることが読み取れます。

返済負担率と金利タイプの関係
返済負担率は年収の内、住宅ローン返済に支出する割合を示した指標です。
低い程、家計への負担が少なく安全な住宅ローンと言われ、一般的には25%以下が推奨されています。
例えば年収600万円では150万円を返済、月額125,000円の返済となります。

今回も推奨を超えた25%をチャレンジャー領域としました。
意外だったのは返済負担率が40%を超える契約がそれなりにいること。
賃貸でも手取額の30%程度と言われているけど、40%を超えるとは・・銀行もチャレンジャーですよね。

棒グラフを折れ線グラフにすると返済率が低い程、リスクを回避できる全期間固定金利タイプ、一定期間リスクを回避できる固定期間選択タイプが多く選ばれている傾向があることがわかります。
一方、チャレンジャー領域では変動タイプと全期間固定タイプが同じ割合になり、契約者の考え方がリスクがあっても金利優先と危険な借方だからこそ安定した返済計画を選ぶ方にはっきり分かれる傾向があります。
やはり、ここでも冒険者タイプと堅実タイプは同程度いると言うことでしょう。

年収、融資率、返済負担率から金利タイプの利用割合を見てきましたが、如何ですか。
それなりに参考になったのではないでしょうか。
結果として個々の住宅購入者がそれぞれの家計の事情とリスクへの考え方で悩んだ末に出した結論です。
良い悪いはありませんし、金利タイプをお勧めしているわけでもありません。
言えることは、皆さんの心が冒険者タイプなのか、堅実タイプなのかによって金利の選択が行われていることだけは間違いないようです。
あなたはどちらですか?

最後に参考としてローンでお金を借りるにはそもそも金融機関がOKを出す必要があります。
そこで金融機関は融資の際にローン申込者の何をもっとも重要視しているかを確認してこの記事は終わります。

どうやら融資負担率をもっとも重要視しているようです。
これについてはいずれお話しする予定です。
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