住宅ローン金利アップのリスクって何?

前回は住宅ローン契約者が金利アップに対して契約時にどのような対策を考えているかをお話ししました。

また、対策には大きく3つの方法があり、各対策のイメージを理解してもらいました。

利上昇時への対策 (cabcs.website)

早速、3つの方法について・・とも思ったのですが、皆さんは金利アップのリスクをどの程度実感しているか、少々疑問です。

そこで、対策を確認する前に金利が0.1%アップすると家計にどの程度影響するかを知っておくことは得体の知れないリスクへの不安を見える化することになります。

住宅ローンの調査では家計の負担割合は個々の家庭で異なっています。(返済負担率は年収に対する年間住宅ローン支払率です。)

一般的には25%未満が安全と言われていますが、10%以下の方から40%を超える方もいます。

自分にあるリスクを把握することで金利上昇リスクへの対策も異なってきます。

金利リスクの対策の詳細を説明する前に金利0.1%アップの影響を知って頂きたいと思います

 

金利0.1%アップの影響を知る

変動金利の0.1%アップとはどの程度の金額になるのかを感覚的に知ることで対策への心構えも出来るでしょう。

次の条件で変動金利タイプの金利上昇率と返済額を計算します。

借入額 3,000万円

返済期間 35年

元利均等方式

変動金利タイプ 0.375%(2022年10月5日、大手都市銀行)

ボーナス支払いなし

返済5年目の61回目支払から金利がアップ

変動金利0.1%が支払金額にどの程度影響するかを知ってもらうために計算した結果です。

金利(%)金利アップ値変動前(0.375%)月額返済額変動後金利月額返済額差額
0.375076,229
0.4250.0576,22976,793564
0.4750.176,22977,3591,130
0.5750.276,22978,5012,272
0.6250.376,22979,6523,423
0.8250.576,22981,9885,759
1.3751.076,22988,01511,786
変動金利のアップが返済額に与える影響
アップの時期で返済額は変わります。
5年後(61回目)から変動

執筆時期の変動金利0.375%を使い計算しましたが、0.1%アップすると意外に大きな影響が出ることがわかります。

これはある時点(5年目)での影響を算出した結果ですが、変動金利は年2回変更されます。

その際にどの程度あがると返済額に影響する額をある程度、把握しておくことはとても重要です。

金利の上り幅がどの程度までなら家計的に許容できるかを感覚的に確認するで金利とリスクを感覚的に知ることが出来ます。

金利上昇幅の0.1%を各自のローン条件で把握しておくと良いと思います。

おおよそ金利上昇幅と毎月の返済額は比例します。

0.4%アップした時は、大体1,130円の4倍で4,520円です。

こんな当たり前のことを書くな!!と言う方が多いと思いますが、これまで相談者にこれを聞いても把握していない人が多く、実際に計算して初めてリスクをイメージします。

もうひとつ感覚的に知っておくべきことは金利のアップの時期の影響です。

多くの方は低い金利が続くことを切望していると思いますが、金利上昇の予感もあると思います。

金利展望 (cabcs.website)

いつ上がるかは気になりますが、10年後に上がる、20年後に上がると返済額にどう影響するか?

これについても金利上昇幅1.0%で計算した結果を示します。

アップ時期支払回数変動前(0.375%)月額返済額変動後金利月額返済額差額
5年6176,22988,01511,786
10年12176,22986,0159,786
15年18176,22984,0307,801
20年24176,22982,0625,833
25年30176,22980,1103,881
30年36176,22978,1771,948
変動金利のアップの時期が返済額に与える影響
アップの大きさで返済額は変わります。
変動金利1.0%アップで算出

返済終了が近くなれば元金が減少しますから当然に金利アップの影響も少なくなります。

頭の片隅にでも金利上昇が起きる時期が遅い程、家計への負担が少なくなることも感覚的に頭に入れておきましょう。

金利がアップするとは

金利アップが与えるダメージのイメージは理解できたと思います。

では、金利がアップした時にどのようなことが起きているのでしょう。

次の例で考えましょう。

借入額 3,000万円

返済期間 35年

元利均等方式

変動金利タイプ 0.375%(2022年10月5日、大手都市銀行)

ボーナス支払いなし

返済5年目の61回目(5年目)支払から金利が0.5%アップした

毎月の利息支払額のグラフです。

61回目から支払利息が増えていることがわかります。

それに伴い、毎月の元金充当額げ減り、月返済額が増加することも確認できます。

金利がアップすることは、新たな金利でローン返済計画が再計算されることになります。

変動金利の場合は1年に2回、金利変動が再設定されます。

期間固定選択金利は、契約時に設定した固定期間の度に再計算が行われます。

「大丈夫、そんなに一気にアップしたりしないでしょう」と思っていると・・。

例えばアメリカの金利政策は大きく転換したことは皆さんも知っていますよね。日本との金利差の影響で円が145円に迫る円安になっています。

数値にではなく金利アップの頻度と割合にアップの値に注目してください。

数年で金利が2倍になることは現実にあり得えます。

執筆日のアメリカ10年国債金利(利回り)は3.745%です。(推測を大幅に上回っています。)

 

現在の日本は低金利政策を続けていますが、アメリカ、EUはすでに金利を異例のペースで上昇させる政策に転換しています。

日銀の黒田総帥はこのままの政策を続けると強気な姿勢ですが、任期は来年、その後どのように政策が変わるのか?

それによって住宅ローンの金利も大きな影響を受けることになります。

 

金利アップのリスクが少しは実感できたでしょうか。

それでは、リスクへの対策へ話を戻りましょう。


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