借換え利用者の借換え後の金利タイプの選択は?

前回は借換えの仕組みについて解説しました。
皆さんも借換えの仕組みは理解できたと思いますが、実際、借換えを行った方はどのような借換えを実施したのか?は気になるところです。
今回のテーマは借換え利用者の実態についてお話しします。
借換えの実態は住宅金融支援機構が毎年、借換えを実施した方にアンケートを行い、その結果を公開しています。
このデータを紹介しながら利用者の実態を解説します。
アンケート調査の概要
対象:2021年4月~2022年3月までに借換えを行われた方でアンケートに回答があった先着998名
住宅ローンの借換えが対象、新築、既存マンションの取得用住宅ローンを除く
借換えを行った人たち
アンケートに回答した皆さんについて調査の最後に回答者の基本属性として掲載されています。
注目したのは年齢です。

全体の75%弱、約3/4が30代、40代の子育て世代と推測され、教育費等の必要もあり、住宅ローンの金利には敏感な年代の皆さんが借換えを利用する傾向にあることが判ります。
借換え前後の金利タイプの動向
各利用金利タイプ別の借換え前後の動向を報告書で示されているグラフを使って説明します。

借換え前後で金利タイプを変更された方は意外に多くいます。
借換えをされた998名の借換え前後の金利タイプの選択率を示したグラフです。
顕著な傾向としては変動金利タイプが2割弱増加、全期間固定金利タイプは50%以上減少しています。
この結果からもここ1年の住宅ローンの推移は、安定的に低金利であり、金利が変動より高い固定金利を嫌い、住宅ローンの圧縮を目的に借換えをされた方が多いことがわかります。
購入直後は金利は多少高くても安定し固定金利と考えていた方が見切りをつけたとも言えます。
では、金利タイプの増減はどのタイプへ変更されたのかを確認しましょう。
分かりにくいグラフなので解説を加えています。
変動金利利用者の借換え動向
借換えを利用した方の中で変動金利タイプの利用者全体の40.4%です。
借換えに後の変動金利タイプの利用者は49.2%です。
変動金利を維持したままの方もいますが、全期間固定金利タイプから変動金利に変更された方は4.7%です。
固定期間選択型金利タイプから変動金利に変更された方が4.1%でした。

借換えを利用した理由については後述しますが、全期間固定金利タイプから変動金利タイプに変更された方は金利の低さに魅力を感じたことが一番の原因でしょう。
調査期間の時期は変動と固定に金利は数%あり、支払う利息額も数百万円の違いがありました。
固定期間選択型金利タイプから変動金利に変更された方は、全期間固定金利と同じ理由の方も多いと思いますが、金利の選択時期に他のローンに切り換え、金利も変動金利に変更した方が多いようです。
固定期間選択型金利利用者の借換え動向
固定期間選択型は借換え後に1.5%減少しています。
固定期間選択型を選択されて契約をした方が借換え後に変動金利、あるいは全期間固定型金利に変更されている実態が読み取れます。

この理由を考察すると変動金利との金利差を認識され、変動金利に代えた時に支払利息の優位性を考慮した方が4.1%程度いたと考えられます。
各金利タイプは住宅ローン契約時の金利施策や金利リスクの考え方で選択されます。
やはり、低い変動金利に魅力を感じる方が一定数いたためでしょう。
固定期間選択型から全期間固定金利に変更された方は、契約中の金利より低い全期間固定型の商品を見つけた方がでしょう。
固定期間がまだ途中の方、固定期間が迫り高くなる金利を抑える目的の方が多いと推測できます。
固定期期間選択型は固定される期間が迫ると不安になります。
その不安リスクを全期間固定型にすることで解消できるメリットも感じたのでしょう。
全期間固定金利利用者の借換え動向
全期間固定金利の契約者は、借換えを機に変動金利や固定期間選択型に代えた方が50%以上いました。
その内訳は、変動金利に代えた方は4.7%、固定期間選択型に代えた方は2.6%でした。
残りの方は全期間固定型でもより低金利の商品へ乗り換えたことになります。

あまりにも変動金利が低いため、リスク優先で固定金利を選択された方も変動金利に当分の間、大きな増加はないと考え、借換え時に金利に魅力がある変動金利に乗り換えたのでしょう。
気持ちはよくわかります。
また、金利タイプを変更しなかった方もより低い全期間固定金利タイプに乗り換えたことが推測され、借換えをされた方が日頃から金利の動向を注視し機敏に対応されたことが想像できます。
固定選択型に乗り換えられた方は、適用期間の終了で高い金利を提示された方や今後の金利動向を一定期間見極めたい方などが想像できます。
いずれにしても変動金利がこれだけ低い有利性を活かした返済を考えている方が相当数いたことだけは明らかです。
昨年、借換えした人のデータから借換え前後の金利タイプの変更に関するデータを紹介しました。
やはり、変動金利タイプの低い金利は魅力があります。
特に全期間固定金利タイプの方にとっては、変動金利への変更は金利の急激な上昇の怖さもありますが、目の前に返済額を減らすメリットが選択する気持ちは多くの方は共感できるのではないでしょう。
金利タイプの選択は契約者のリスクへの許容度とも言われます。
借換え前後で同じ金利タイプを選択する方、金利リスクがあっても返済額の圧縮を優先される方、リスクは同じで返済額の圧縮を優先される方とそれぞれの考えがあって面白い結果だと思います。
皆さんは借換えの利用者の傾向をどのように受け止められたでしょうか。
次回は、借換えを実施した動機についてまとめます。
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