資産運用を始める前に確認すべきこと

FJマンション管理士事務所の主力は賃貸不動産の経営アドバイスです。

特に賃貸不動産の経営アドバイスは不動産投資に分類されます。

実はファイナンシャルプランナー(以下FP)は個別の金融商品を勧めることができません。

金融商品の売買を行うには金融商品取引の資格が必要になります。(金融商品によって資格が違います。)

FPの中にもこの資格を所有している方は多数います。

保険商品も金融商品と同じ扱いです。

 

不動産投資は大きく、転売差益を得る方法と賃貸収入を得る方法の2つに分かれます。

当事務所では後者を基本としています。

「おいおい、不動産投資の話かよ。」と思われる方も多いと思いますが、たくさんのオーナーさん(投資家)と接していると皆さんは不動産投資以外に多くの投資商品を運用されています。

その中で投資、所謂資産運用の考え方をいろいろと学ぶ機会がありました。

その経験の中で一般の方が資産運用を始める前に知っておいて欲しいことをまとめてみました。

資産運用は余り金が基本

皆さんが持っているお金には名前や用途先が記載されてはいません。

それを決めるのは皆さんです。

投資詐欺の被害者の方が「老後資金をすべて失った・・・。」と言われますが、これは投資では絶対やってはいけないことです。

まず、お金の用途先分類を覚えましょう。

判り切ったことですが、この分類が出来ない人は資産運用で確かな成功を収めることは難しいかもしれません。

各資金は目的によって流動性が異なります。(現金化するまでの時間)

用途先資金流動性元金保証主な保管先
生活費自由に入出金が可能にしておくこと必要普通預金
予備資金最低でも数日以内に現金化ができること必要貯蓄型貯金・MRFなど
用途あり資金目標年月、目標額を定まてその間は現金化しないこと必要定期預金・国債・債権
余剰資金流動性も自由に設定できる不必要投資先
用途先資金と流動性

用途先資金は目的があって貯めているお金です。

元本保証は最低限の条件になります。

予備資金の一部は資産で保管する以外に保険商品(火災・地震保険、入院保険、損害保険、収入保障保険など)に置き換えることも可能です。

この4つの分類をしっかりと自覚した家計管理を行うことが資産運用の基本になります。

 

若い頃は結婚資金や住宅購入資金に実感はない方が多いようで生活費以外はすべて自由なお金と考え、投資してしまう方の割合が多いと思います。

中には投資で儲けたお金を結婚資金や住宅購入資金にあてると考えている方も一定数います。

一部の方が成功されていますが、それはたまたまの話です。

リスクの高い投資程、日々大きな変化をします。

同じことを貴方が実行したとしても同じ結果にはなりません。

まずは、所有するお金に名前を付け、仕分けから始めることが投資の基本であることを忘れないでください。

投資は現金化した時に儲けが確定

投資を始める時、理解すべきことがもうひとつあります。

株式投資を例に説明します。

個別の銘柄ではなく日経平均で考えます。

チャートからわかるように日経平均の価格(表示は終値ですが)は数秒単位で変動します。

これはその日の市場が終わった時の価格を示しています。

彼女が株を買ったのは2017年6月17日前後、22,800円前後で購入、2019年10月18日前後、28,000円前後で売却しました・

これが株式投資のもっともシンプルな例です。

安く買って高く売ることが儲かる方法です。

保有した株式は売却を決めるまで1度、価格割れ(買った価格を下回ること)をしましたが、保有期間中のほとんどは株価は上昇していたことがわかります。

投資した彼女はなかなか良い時期に投資を始めたことがわかります。

 

ここで皆さんに理解して欲しいことは投資は保有しているだけでは、データ上の資産は増えていますがそのお金を使うことはできません。

売却して現金化して初めて自由に使えるお金になります。

株式を例に説明しましたが、資産投資は商品によって現金化するまでの時間が違います。

もっともはやく現金化できる商品は定期預金です。

もっとも遅い商品は不動産です。

当たり前のことですが、投資を始めた頃はこれを忘れて、有頂天になったり、落ち込んだりしますが、あくまでも売る時期(儲けを確定させる時)を決めるのは投資家本人です。

なぜ余剰資金を使うのか?

用途がある資金を投資に使うと想定外に用途の発生時期が来ることがあります。

株式は上下動が大きな商品です。

値下が大きい時期にお金の必要に迫られると本来自由意思で決める売却時期の選択が出来ずに、損失を承知で売らざるを得ないことになります。

これが余剰資金を使う理由のひとつです。

お判りいただけたでしょうか。

 

性格も重要な要素

投資は皆さんの性格、資質に大きく影響を受けます。

これをリスク許容度と言いますが、1円、10円の上下でも気になり、本業が疎かになる人もいます。

投資したお金が減ることを元本割れと言います。

この状態になると投資家は性格によって投資行動に大きく違いが現れます。

元本割れの状態になった時、株価の下落傾向が確認された時に襲われる不安をどこまで許容できるか?

株式の保有期間は投資家が決め、売るタイミングも投資家が決めます。

損をする状態に陥るといずれは値上がりするとはわかっていても「もっと下がったどうしよう!!」「ここで売って違う商品で勝負した方が良いかも」など様々な思惑が脳裏に浮かびます。

株価を一日何度もチェックする。

仕事が手に付かない。

精神的に追い詰められる。

 

どこまで損を許容できるかはそれぞれの経済的な背景や性格が大きく影響します。

時間的な許容範囲(いつまで売らずに保有できるか)、金銭的な許容範囲(幾らの負けで見切りをつけるか)は個々で違っています。

景気の動向の予測に基づいて決めることが投資家の本来の姿ですが、一般の方はこの感情によって売り時を決めてしまい大損することもあります。

投資方法、商品はいろいろある

許容範囲の大きさによる投資への適正に差はありませんが、投資方法に向き不向きはあります。

今回例にしている株式投資も何年も保有する投資方法もありますが一日の中で売買を行い利益を確定させる方法もあります。

また、株価の値下がりを予測して購入する方法もあります。

株式以外にも世の中にはたくさんの投資商品があります。

その中から自分の許容範囲に適した金融商品に投資することが大切です。

それと投資するお金は余剰資金を使うことです。

このことを理解した上で、次回は金融商品のリスクについてお話しします。

きっと皆さんの許容範囲に適した商品が見つかるはずです。


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