2022年4月住宅購入者の金利展望

住宅ローンの金利の話も回数を重ねていますが、今回も住宅金融支援機構の調査結果から現在住宅ローンを契約している皆さんの今後の金利の展望について確認することにします。

金利タイプによって金利が決まる過程が違う話はしました。

住宅ローンの金利って誰が決めるの? | FJマンション管理士事務所 (cabcs.website)

複雑な経済の話もあって理解するにはなかなか難しいテーマでしたが、住宅ローン利用者は将来の金利をどのように展望した上で住宅購入に踏み切ったのでしょう。

そこを明らかに出来れば、現在、住宅購入を検討している方の参考になるはずです。

使用する情報は、住宅金融支援機構が公開した「住宅ローン利用者の実態調査 2022年4月版」です。

それではひとつひとつテーマごとに確認しましょう。

短期的な金利の展望

金利は目先の金利動向と長期的な動向を予測することが重要です。

調査は住宅ローン契約者が契約時に1年先の金利の動向をどのように考えているかを調査しています。

2022年4月28日~5月6日まで1500人(フラット35契約者85人を含む)を対象に行った結果です。

46.1%の方が金利は維持されていると答え、39.2%の方が金利は上がると考えていることがわかります。

では、金利タイプごとに前回調査(2021年10月)と金利展望がどのように変わったかを比較します。

変動金利タイプ

変動金利タイプで契約された方で金利は上昇すると予想された方が増加、変わらないと予想される方が大きく減少していることがわかります。

期間固定選択タイプ

傾向は変動金利タイプと同じで金利は上昇が増加、変化しないが減少と予想しています。

全期間固定金利タイプ

傾向は変動金利タイプ、期間固定選択タイプと同じで金利は上昇が増加、変化しないが減少と予想しています。

各金利タイプ別変化率

この結果は非常に興味深い結果です。

変動金利タイプを選んだ方は、1年後に金利は上昇すると予想しながらも金利タイプを選択したことになります。

恐らく、金利が上昇しても上昇幅は固定金利よりは有利、あるいは上昇しても対策がある方か考えたのかもしれません。

 

全期間固定金利タイプを選んだ方は、金利が上昇するリスクを嫌って金利タイプを選択したことになります。

 

期間固定選択タイプはほぼ変動、全期間固定の半数程度とバランスを取った金利タイプを選択したことになります。

それぞれの方の思惑が数値に現れていると言えるでしょう。

金利への展望

多くの方が近い将来、金利は上昇すると予想される方が多いことがわかりました。

それでも変動金利タイプの選択をされた方は、上昇は緩やか、あるいは上げ率は低いと考えられたのではないでしょうか。

この投稿をした時点では、日本の政策は金利を抑える方向を当分は維持する気配ですが、諸外国は金利引き上げに転じています。

戦争やコロナの影響で物価も近年にない値上がり。

どこまで金利を抑える政策が維持されるのかははっきりわかりません。

多くの方がこのような背景を元に金利上昇を意識された調査結果と言えます。

全期間固定金利タイプを除く契約者は、金利の上昇を予感している以上、何らかの対策を考えているはずです。

そのことについてもアンケート結果があります。

金利上昇リスクへの理解度

金利の上昇のリスクがある金利タイプは変動金利タイプ、期間固定選択金利タイプですが、調査では金利上昇や商品(ローン)への理解度もアンケートしています。

設問は5問ありますが、当事務所が注目したのは次の2問です。

いずれも金利上昇に伴うリスクへの理解度を尋ねています。

変動金利タイプの理解度

金利上昇へのリスクを理解している方は契約者の50%程度、不安な方が35程度%、理解が不十分な方が15%程度でした。

一方、金利上昇に伴う返済額増加への対策についての理解度は、契約者の45%程度、不安な方が35程度%、理解が不十分な方が20%程度でした。

結果として、5割以上の方がリスクへの不安も持ち、そのうち2~3割程度の方はリスクを知らず契約している実態がわかります。

期間固定選択タイプ

しかし、変動金利タイプ以上に深刻な結果は期間固定選択タイプで契約された方です。

理解した上で契約している方は4割程度で6割の方が不安やリスクを知らずに契約している結果です。

是非、皆さんにはこのような状況での住宅ローン契約をして欲しくありません。

当事者の責任が一番ですが、金融機関も契約前に十分にリスクの説明をすべきです。

と言っても契約前には重要事項説明をしているはず・・やはり契約者の意識の問題なのでしょう。

 

いかがでしたか?

住宅ローンを契約した方の将来の金利の展望について説明しました。

皆さん、金利の選択には苦労されています。

しかし、どの選択も未来にしか正解が分からない決断です。

ただ、ひとつ言えることは契約する時には契約内容、金利のリスク、リスクへの対策をしっかり考えて行うべきです。

無知は損失を招きます。

マイホームはひとつの道具です。

中に住む人たちの幸せが何よりも大事です。

家計の不安は、家族を不安にします。

そうならないためにしっかりと知識を身につけることが重要です。

肝に銘じておきましょう。


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