CFPの実力とは?フォーラムに参加して思うこと

昨年、11月、FP協会が主催した「御茶ノ水FPフォーラム」に参加したことはブログでも紹介しました。

CFP認定、AFP認定を受けた方で相談業務やセミナー講師を一般の皆さんを相手に体験するイベントです。

30人ぐらいの方が参加したと思います。

AFPの資格者は自分も含めて数名だったはず。

その他はCFPです。

参加した動機は、FPの相談業務を体験してみることでした。

CFP資格取得をやめた理由

すでに賃貸不動産アドバイザー、マンション売買アドバイザー、マンション管理士として仕事をしています。

仕事上、FPに関する知識はどうしても必要ですが、それはあくまでも経営、住宅取得、帳簿を理解する上でのこと。

CF(キャッシュフロー)、バランスシートも簿記の3級を取得した時にみっちと勉強しました。

住宅ローンの知識は独学ですが、本や実践で得た知識です。

必要な知識はその都度、習得したと思っています。

 

これまでFPコンサルティングで収入を得ることは考えていませんでした。

もちろん、クライアントから保険、年金、相続、投資を相談されることはあります。

それは不動産があっての話です。

それにクライアントには税理士、弁護士と個別に契約されている方も多く、世間話や相談中のアクセントとしてFPの話題が出た時に答えに窮しない程度の知識があれば良いと思っています。

 

CFPの資格は資産運用には興味がありましたが、6科目をすべてを勉強して取得する労力とリターンは見合うものがあるのか?

結果、少ないと判断しました。

これがCFPの試験を受けなかった(断念)理由です。

 

でも、気になってはいました。

CFP認定者がどの程度の実力があるのか?

コンサルティングや相談業務にどの程度のスキルを持ち合わせているのか?

それがフォーラムに参加した理由です。

 

コンサルティング業はすでに10年以上を経験しています。

クライアントとのコミュニケーションにはそれなりの自信はあります。

CFP取得者の実力を知りたいと言う興味半分で参加しました。

正直な感想

参加したことは有意義でした。

FPの基本的なことを再確認する機会にもなりました。

本題のCFPの実力とはについてですが正直な感想は「流石」と思うことと「この程度か」というと感じました。

CFP資格者の知識の豊富さは「流石」だと思いました。

一方でそれを相手に伝えることについては、「この程度か」と思いました。

特に相談者が求めていることとに答えているのか?と言う点では疑問を感じました。

今回の相談者の多くは一般のご家庭の個人でした。

そのため、高度な知識を求められる機会は少なく、どちらかと言うとお悩み相談で「悩みの本質、不安の原因」を見つけることが求められる相談会でした。

そのためにはCFPやAFPの知識よりは、話を聞き、短時間に相談の本質を見つけ、解決策の提案する能力が必要でした。

 

例えばNISAについて知りたい相談者にNISAの種類や税制の優遇などを説明する知識を話すことは得意かもしれません。

しかし、相談の本質を見つけることは話術、経験、洞察力、判断力が求められます。

その点でCFP、AFP資格はそれほど役に立ちません。

 

特に今回のフォーラムに参加された方の多くは、資格取得後、資格保持の研修は続けているものの資格を活かす機会がない方でした。

そのためもあって、コミュニケーション能力を含めた経験不足が明らかになったと感じています。

 

コンサルティングは経験

マンション管理士業務でも相談をたくさん受けていますがマンション管理士には独占業務がありません。

顧問契約やコンサル料を貰い、アドバイスを行う仕事です。

成果物を伴う請負もありますが、ほとんどは確固たる成果物がない仕事です。

同様な仕事には中小企業診断士、FPがあります。

 

以前「マンション全体の売却」の相談を受けた際に理事会の進め方に疑問を持ち、相談を受けたことがあります。

理事会の売却決議の進め方が一部の方の意見ばかりで自分の意見が受入れられない不満でした。

理事会の手順に問題はなく「法的な手順に問題はありません」と答えましたが、実はこの相談者が聞きたかったことは「売却時に自分が損をしないか」と言う不安があっての相談でした。

いろいろと話を聞き、相談者の求めることを理解した上で「権利分配議決」についてお話し、売却した価格の分配には最終的に高いハードルがあること、その時点で損をしていると感じた時に対処方法を説明しました。

このようなことは良くあります。

相手の相談がイコール相手の求めることとは限りません。

 

このような経験はFPでもよくあることです。

このような聞くことと、本質を見つけるスキルは教えても身に付くものではなく、経験の中で身につける必要があります。

そのためには場数を踏むことです。

しかし、CFPやAFP取得者が経験を重ねる機会は仕事で経験されている方を除けば日常では皆無です。

それでは資格を活かした起業は到底難しいことです。

その上、FP資格には致命的な欠陥があります。

FP資格の致命的欠陥

FP全体の資格の制限として商品の説明ができないことは致命的です。

税務の計算 ➡ 税理士の独占業務

法律の相談 ➡ 弁護士、司法書士の独占業務

相続の計算 ➡ 税理士の独占業務

保険の勧誘 ➡ 保険外交員

記入商品の勧誘 ➡ 証券外交員

幾つかの例を示しましたが、例えば保険商品、金融商品はもちろんですが社債や地方債まで固有名詞を用いて説明することはできません。

それぞれについて商品説明を行うことができる資格が別にあるためです。

やはりFPは少なくともその資格単独では営業が難しい資格であると言えます。

所詮、FPは制度の説明が限界な資格と言うことです。

FP資格単独での起業や独立の可能性

FP資格単独で起業は無理とは言いませんが、かなり厳しいと思います。

もちろん、無理とは言いませんが、成功者はFP取得者の0.1%もいないのではと思っていません。(正確な値ではありません)

コンサルティングは実績が物を言う職業です。

経験も少なく、話術、分析能力も人並みではとても難しい仕事です。

そのためには独立を前にどれだけの経験を重ねることができるかが鍵になります。

セミナーの講師を経験、相談員を経験、ネットで相談を経験、日々勉強をする必要性があります。

FPの顧客はお金持ち

FPは誰のための資格か?客層は?これはいつも思うことです。

元々お金に困った方が、お金を払ってまでアドバイスを求める余裕があるのか?

FPの顧客はお金持ちです。

個人事業主、地主、投資家などが代表的顧客層です。

所謂「太客」です。

しかし、彼らにはFPのライバルである税理士や中小企業診断士がいます。

彼らに対抗する術を身につけない限り勝ち目はありません。

ダブル資格は必須

FP資格を有効的に利用するためにはダブル資格は必須だと思います。

FPの知識はあくまでもクライアントへのサービスの一環。

そのためにも独占業務を持つ資格の取得をお勧めします。

特に不動産資格(宅建士)は、FPのような顧客の家計のサポートができる不動産仲介業は利用機会が増えると考えています。

売りっぱなしが多い不動産屋ですが、ローン返済中の教育資金、保険契約、老後資金などを総括したサービスを提供できることはブランドになると思っています。

行政書士や司法書士は事務処理の専門家です。

例えば住宅ローン時の登記登録は司法書士(行政書士はできません)の独占業務のひとつです。

これもFPの知識は大いに助けになるでしょう。

将来の自分は何を目指すにしろ、資格はあくまでもイアテムのひとつ。

その資格を活かしてこそ資格取得の意味があります。

CFPを取得される方であれば他の資格も可能性は大きいと思います。

是非、FP資格をどう生かすかを考えた資格取得を目指してください。

最後に

CFP取得者は尊敬しています。

あれだけの知識を習得したことは素晴らしいことです。

だからこそ、その資格を無駄にしてほしくないと思います。

そのためには相談や講師を積極的に体験して実績を積むことです。

誰だって最初は初心者です。


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