マンションの台風対策(風対策・管理組合編)

台風やゲリラ豪雨は雨以外に風にも十分注意する必要があります。

台風は広域に強い風を運びますが、ゲリラ豪雨は竜巻や突風と言った小さな地域を直撃します。

竜巻が通った後は大きな被害に遭いますが、数メーターずれているだけで被害がないと言ったことはよく聞くことです。

しかし、どちらでも風に対する備えは同じです。

マンション管理員の経験を通して身に付いた風対策を共用部分と専有部分ごとに説明します。

共用部分の台風対策

台風は大きな渦です。

そのため、風向きは台風の位置により東西南北いすれからも吹くことになります。

マンションの方位を頭に入れることが重要です。

東西南北を把握していない方のために簡単な見分け方です。

方位確認方法
朝日が上がる方向
日中もっとも日差しが強く感じる方向
西午後日差しが強く当たる方向
夕焼けが見える方向
冬場特に寒い部屋がある方向
方位を感覚的に把握する

この時、重要なことは建物の玄関(エントランス)がどの位置にあるかを確認します。

*専有部分では窓の位置が東西南北のどこにあるかを確認します。

理由は玄関はどこのマンションでも出入を確保する目的で道路に面した位置です。

そのため、多くのマンションで強い風を受けることが想定されます。

エントランスを入る観音扉(両開き)の出入口があり、風徐室が設置されています。

多くのマンションの正面玄関は、セキュリティーの配慮から内部が見えるガラス部分があります。

両開きの扉を採用している理由は、片側だけを開けることで屋外の冷気や熱気、強風などが直接室内に入り込むのを防ぐことができ、室内の温度を保つことが可能とするためです。

これにより玄関に設置されている自動ドアを守ることが可能です。

観音扉の片側閉鎖

台風等の強風が予想される時は、観音扉の片側を施錠します。

強い風はドアを押し込み、開閉を繰返すことがあり、これにより左右のドアの固定軸をずれを起こし、衝突による破損が発生するケースがあります。

これを防止するために片側をドアを固定することが重要です。

必ず、片側の扉には施錠が出来る治具が設置されています。

封鎖したドアには「強風のため封鎖中」「台風のため閉鎖中」などの貼り紙を内部に貼りだします。

これによりドア自体を風から守ることができます。

ガラス飛散防止

マンションに台風や突風対策をしても外部から飛翔してくる物体を避けることはできません。

特に全面ガラスの扉が設置されているマンションでは、物がぶつかり割れた時にガラスが飛散しない対策をすべきです。

用意する物は養生テープです。(一巻き200円前後)

ガムテープ(必ず布タイプ)は剥がした後始末が大変です。

出来るだけ養生テープを使用してください。

この措置によるガラスの強化はできませんが、割れた際に内部にガラス片の散乱を防止することができます。

更に段ボールで覆う方法もありますが、正面玄関はのドアはセキュリティーの問題もあり目隠しすることは避けるべきです。

共用廊下等の設置物の確認

共用部分の廊下や階段は規約等で私物の放置を禁止しています。

しかし、現実には自転車や食材配達用のプラスチックボックスや発泡スチロール製ケースが置かれています。

棚等を設置して植木等を放置している方もいます。

いくら管理組合が注意等をしても改善されない例は多々あります。

このような場合は次のような掲示をすることをお勧めします。

掲示文

共用部分に私物を置かれている方へ

台風等の影響が想定されます。

共用部分に放置している私物は各区分所有者の撤去をお願いします。

尚、台風等の災害により共用部分を破損した場合、第三者に被害を与えた場合は個人の賠償となります。

台風等による災害は管理会社が注意喚起を掲示していることが一般的です。

これは管理会社の善管注意義務に問題が無かったことを示すためです。

同様に管理組合としても理事会が善管注意義務を果たしていることを示す必要があります。

傘は特に注意

雨が降ると傘を使いますが、その傘を室内に入れずに玄関脇に置く方が多くいます。

台風の報道で傘をさした方が風に翻弄されている姿は皆さんも一度は見たことがあるのではないでしょうか。

傘は風を受けると想像していない凶器になることがあります。

特に先端部分は第三者に大きな怪我を与えたり、当たり処では後遺症を及ぼすこともあります。

また、壁やガラスを破損させることもあります。

「傘ぐらい」と思わず、台風等の風災害の発生が想定されるケースでは、専有部分に必ず保管することを習慣とすることが重要です。

理事会、フロント、管理員が協力して注意喚起を行うべきです。

管理員の経験では、傘を紐等で縛るだけでも風への影響を抑えることができます。

事前に理事会の承認を受けた上で、巡回時に傘を畳んだ状態で放置している傘は風で開かない状態にしたこともあります。

館内放送を使って注意喚起を促したこともあります。

それぞれのマンション管理組合の状況に応じた対策を行うことをお勧めします。

駐輪場等のトタン製屋根や壁

駐輪場がトタン製(波打ち板)やプラスチック製の屋根、あるいは背壁で作られている場合に注意すべきことがあります。

屋根や壁に小さな亀裂や穴があると風により大きな破損につながることがあります。

日常の巡回で管理員に亀裂や穴がないことを確認して貰いましょう。

もし、破損が確認された場合は、防水テープや紐などで破損が大きくならないように処置することが必要です。

暴風が吹くと全体や一部が剥がれ外部に被害を与えることがあります。

以上がマンション共用部で行うことができる暴風への対策です。

 

今後、これまでに経験したことがない天候は増えることが予想できます。

被害を最小限に抑えることができる防災は、管理組合として積極的に取組むべきです。


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