分譲マンションの一部委託管理、自主管理ってだめなの?①

分譲マンションは躯体を含む共用部分の維持管理のために管理事務を行う必要があります。
これは分譲マンションに住む方なら当たり前のことでしょう。
しかし、管理方法についてはいろいろな方法があることを知らない人も多いようです。
今では管理会社に分譲マンションの管理事務の全部を委託する全部委託管理を行う管理組合が当たり前ですが、現在でも一部委託管理や自主管理を行うマンションがあります。
何となくですが、全部委託管理が正しい管理で、それ以外は邪道と思っている人も多いようなので、今回は一部委託管理や自主管理を考えることにしました。
まずは基本的な項目のおさらいです。
分譲マンションのマンション管理って何よって話です。
国土交通省が指針として標準管理委託契約書に定めてある管理事務は次の項目です。

たくさんありますが、これは一般的な例ですべてを行う必要はありません。
例えば、「定期清掃は要らない」と決めれば、その事務自体を無くすことも可能です。
「管理員も要らない」と決め、日常清掃は住民が各自が行う。
エントランス等は有志でやると決めれば管理員も必要ないかもしれません。
このような管理事務は各マンションの区分所有者が話合って必要だと思う管理事務の業務を決めることから始まります。
しかし、マンション管理組合が運営していくために絶対に必要な業務があります。(外すことが出来ない業務です。)
管理事務の業務ある「事務管理業務」は非常に重要な業務が含まれています。
1、共用部分の管理費等の徴収を含む会計業務
区分所有者の管理費の支払義務は区分所有法に定められています。
集めた管理費の管理は会計業務でおこなれることになります。
管理費や修繕積立金の徴収やお金の使い道を決め、出納を記録する会計はとても重要な仕事です。(お金の管理ですからね。)
組合員から集めた大切なお金を管理する仕事です。
分譲開始直後に初めて会った人にお金を預けることができるかと聞かれれば、多くの方は「NO」と言うでしょう。
そこで社会的に信用がある会社組織に任せることが一般的になり、その任を委託される会社が分譲マンション管理会社です。
とは言え、分譲マンション管理会社も多くの問題があった時期があります。
以前は悪質な管理会社があり、皆さんから預かったお金の管理がずさん(横領や自己資金と区別せず管理した結果、財産が不透明になる事件)で、トラブルが多く、社会問題にまでなりました。
社会問題になったことで国土交通省がマンション管理適正化法を制定しました。
それ以降は管理費等の管理ルールが明確になり、会社ぐるみの横領や不透明な管理はできなくなりました。(と言っても個人がマンション管理組合のお金を使い込む事件は今でも発生していますけど)
現在では自主管理以外の管理方法で運営している管理組合は、管理費等の徴収を含む会計は委託していることが多い理由がお分かり頂けたと思います。
2、マンションの躯体や設備を守るための設備業務
法律(建築基準法、消防法など)で決められた設備等の法定点検を必ず実施することも重要な仕事です。
また、マンション内の設備に不具合が発生せいないように自主的にメンテナンスを行ったり、排水管の洗浄を行う業務も住環境の維持のために必要な業務になります。
さらに、エレベーター等の設備に故障が発生した時に対応する必要性もあります。
*マンションにある設備によって法定検査の対象になる設備は異なります。
購入時にあった機能を購入後も継続的に維持管理するための仕事になります。
しかし、一般人が法定検査の規定、消防法の規定、故障した時の問合せ先などを調べて行うことは非常に困難です。そこで施工会社が選定したマンション管理に精通している管理会社に委託することが一般的になっています。
ただし、各設備も法定点検を一度経験するとルーティン化することができます。また、検査会社と直接契約することで中間マージンを削減することができるため設備業務を自主管理に変える管理組合も多くなっています。
この2つの業務はマンションの住環境の維持のために非常に重要であり、マンション管理の中でも「基幹業務」と定められています。

基幹事務(国土交通省)
- 管理組合の会計の収入及び支出の調定に関する事務
- 管理組合の出納に関する事務
- 専有部分を除くマンションの維持又は修繕の実施に関する企画又は実施の調整に関する事務
ここまでマンション管理の仕事について説明しましたがお分かり頂けましたか。
1、区分所有者の管理費の支払義務、管理組合の設備等の法定点検は法律で定められている。
2、マンション管理業務は色々な種類があるが、どの項目を実施するかは、それぞれのマンション管理組合が独自に決めることが出来る。
3、ただし、基幹業務である会計業務と設備業務は、マンション管理を行う上で必須な項目のため外すことは難しい。
*基幹業務の実施について法律上の制約はなく、管理組合が事実上ない、あるいは活動がない組合ではすべての管理業務を行っていないケースもある。
次回はマンション管理の管理方法について説明します。
もっと詳しく知りたい方は特集記事で扱っています。
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