最近、相談でよく聞くマンション管理会社

FJマンション管理士事務所はオンライン相談や無料訪問相談を日々行っています。

また、マンション管理士会の電話相談や各支部が行っている相談会にも積極的に参加しています。

相談の中身はそれぞれで違い、何か傾向があるわけではありません。

ただ、最近、幾つかのマンション管理組合から同じ管理会社への疑問や不満を聞く機会が多くなっています。

会社名はお話ししませんが、相談から感じたことを書き留めてます。

 

相談の内容はバラバラ

相談自体に目新しいことはなく、どれもよくある相談です。

問題はこれがある管理会社が委託している管理組合に多く寄せられていることです。

妙に最近、この管理会社と委託契約している管理組合の住民からの相談が多いことにかなりびっくりしています。

 

管理会社のフロント

フロントは言わずもがな管理会社に所属する管理業務主任者のことです。

(一部、資格取得をしていない人が担当して資格者がフォローしているケースもあります。)

皆さんに委託契約の重要事項説明を行う人と言えば分かり易いと思います。

 

マンション適正化法では管理会社は管理業主任者を30組合当たり1名設置することを義務化しています。

例えば10人の管理業務主任者がいる管理会社は最大300組合と管理委託契約を締結することが出来ることになります。

しかし、よく考えると1名の管理業務主任者が30組合の担当をすることは物理的に無理です。

各マンションの理事会の開催は、1~3カ月に1度程度開催されます。

これだけでも30組合を一人でこなすことは無理です。

 

実際、マンションの規模も大きく影響しますが、フロント1名が担当できるマンション数は10前後ではないでしょうか。

理事会の開催だけではありません。

年に1度の総会、法定検査、メンテナンス、設備の故障、駐車場、駐輪場の抽選、館内トラブル等々、フロントの仕事は多忙です。

 

このような状況で仕事進めるとどうしても手薄になるのが、マンションの現場です。

事務作業に追われる中、管理組合からの要望は後回しになりがちになります。

その結果が、相談内容に繋がっています。

 

個人的には各フロントは、がんばっていると思います。

でも1日は24時間しかありません。

フロントのスキルによって処理能力に多少の差はありますが、それにも限界があります。

最近は若いフロント、対応がソフトな女性の活躍も目立つ業界ですが、何せ相手は自分よりだいぶ大人の方です。

人生経験も業務経験も不足しています。

結果として事務管理業務に追われることでその影響がマンションに住む区分所有者への対応への遅れや気配りができない状況を起こしています。

 

管理会社はブラック?

管理会社の業界では有名な話です。

しかし、すべての会社がブラックなわけではなく、知っている限りデベロッパー系の大手はフロントの担当数にも余裕を持たせています。

これには理由があって、基幹業務(会計、出納、修繕)が分業化されていることでフロントの負担を大きく軽減していることです。

また、大手は規模の大きなマンションとの契約が多く採算性が良いこともフロントが比較的、余裕をもって仕事が出来る環境を生み出しています。

 

これに対して中規模の管理会社は、かなり事情が違います。

管理会社はマンションの管理組合から管理を委託されることで収益を上げますが、ここ20年ほど、管理会社が乱立しました。

比較的小さなマンションの建設が多くなり、管理会社の需要が多かったことも理由のひとつです。

管理会社が契約を締結するために行った営業戦略が「価格破壊」です。

採算ぎりぎりで契約を取り、実績を得ることを営業方針にしたことが現在の状況を生んでいるとも言えます。

この方針に飛びついたのが管理費の価格に日々、疑問や高いと感じている区分所有者の皆さんです。

両者の想いは同じです。

儲けが少なくても実績の欲しい管理会社と管理費を安く抑えたい管理組合。

 

その結果、フロントの仕事量は増加、契約件数が増える分、フロントの数は必要になりますが、激務です。

辞職、退職、転職が多くなり、管理会社のフロント慢性的な人で不足になりました。

増々、フロントの業務は忙しくなります。

管理組合の皆さんにお聞きしますが、理事会や総会は何曜日に開催することが多いですか?

土曜、日曜

フロントの多くは土日の出勤が当たり前です。

今でも管理業務主任者を求める中途採用の求人はたくさんありますが、業界の実情を知る人がこの世界に飛び込むことをためらっていることでなかなか改善されません。

 

新卒者に期待する

管理会社も中途採用以外に新卒からフロントに育てることもやっていますが、フロントになるために国家試験をクリアーする必要があります。

不動産屋であれば宅建の資格を取得して1人前、管理会社では管理業務主任者の資格を取得して1人前です。

ま~

新卒者でこの試験に合格することは・・難しいですね。

現在の試験の合格率は20%程度です。

100人受けて5人です。

毎年試験は12月1週目の日曜日です。

今頃、全国の管理会社に今年入社した人、昨年落ちた人、ぞーっと落ちている人は試験勉強をしているはずです。

がんばれー

よく相談に出る管理会社

この会社は個人的に良く知っている会社です。

立場上、管理会社に現状を話すことはありませんが、この会社のフロントとは会うことも多く、頑張っている姿を見ているだけに会社としても頑張って欲しいと思っています。

相談の多くはフロントの資質とスキル不足です。

管理会社の内情を見る限り、フロントへの教育不足、管理業務の分業化不足が最大の原因でしょう。

会社の規模を大きくすることだけを考え、会社の中身(体制)がスカスカになっていることに気づいていないようです。

実際、この会社が契約すマンションの状況を訪問相談で訪問しますが、事務整理は当事務所の採点で0点のことが多いです。

何とか自浄努力で体制を強化して欲しいと思っていますが、このままでは、いつか大きなトラブルになりそうだと心配をしています。

 

最後にマンション管理業は事務委託ですが、マンションの現場はサービス業です。

契約があるから信頼が生まれるわけではなく、そこに住む住民へのサービスが信頼を生むことを忘れていはいけません。

しかし、忘れ始めている管理会社が増えている気がします。

残念ことです。


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