管理業務主任者試験、管理会社の社員で落ちた人に

分譲マンションの管理会社でフロント業務として働くには最低でも管理業務主任者の資格が必要になります。

これは不動産仲介会社で宅地建物取引主任者の資格が必要であることと同じです。

そーですね。

管理業務主任者を取得してやっと一人前。

今年も管理会社のフロントを担うために多くの方が受験されたようです。

 

知合いの幾つかの管理会社に聞いたところ、各営業者で数名から10名程度の受験者がいるとのことでした。

すでに自己採点も終わって、確実に合格点をとった者、合格予想ラインぎりぎりの者、絶望的な点数だった者に分かれているようです。

管理業務主任者の独占業務

管理業務主任者(面倒なので以下、主任者)は、マンション管理組合と受託契約を締結する時に、組合員に対して重要事項説明書の配布と重要事項説明会の開催が義務化されています。

説明書への署名、押印と説明会の説明者は主任者の資格を持つ者だけができる、所謂、独占業務です。

また、管理会社には主任者の配置義務があり、1名の主任者がいると5部屋(専有部分)以上のマンション管理組合を30組合まで受託契約をすることができると法律で定められています。

管理会社としても主任者の存在は必要になります。

それ故、分譲マンションの管理業のフロントとして働くためには、主任者の資格が必要になります。

資格を取得するとひとりで1つのマンション管理組合の専任のフロントを担当、重要事項説明書~収支報告書までのいろいろな仕を事行うことになります。

資格のない管理業務主任者

マンション管理業は管理業務主任者の資格がなくてもフロントとして、受託したマンションの担当をすることはできます。

ただし、重要事項説明書の記名押印、説明会の説明者が資格者が行い、資格のないフロントが担当することを理事会、組合が了承すればですが。

このようなケースは多くあります。

結果として資格のないフロントは、実質的なマンションのフロント担当をしますが、主任者のサポートなしではできないことになります。

この資格ないフロントは、管理会社には意外に多く、資格者一人当たり30組合を受託できる制度を支えれいるわけです。

当然、資格のないフロントは、毎年、何とか資格を取ろうと試験を受けることになります。

主任者の試験は年に一度、合格できなければ職場でもなかなかつらい立場になりますよね。

会社も報奨金、取得者の給与アップ、試験前の有給休暇の取得などでバックアップはしています。

試験に落ちた言い訳

「忙しかった」

これがもっとも多い言い訳です。

マンション管理業は多忙な仕事で有名です。

そのため、離職者も多く、せっかく取得した資格を使わずに全く別な仕事で従事している方も多くいます。

マンションを一つ担当すると毎月、管理費等の徴収実績の確認、滞納者のチェック、出納の入力、理事会、議事録、月次報告書、法定検査の手配、検査結果のチェック、書類の整理、雑務、組合員の対応、管理員への指示などの業務が発生します。

当然システム化されているため、ほとんどの業務は会社内で済みます。

しかし、マンションは日々、老朽化するため設備の故障等のトラブルが発生すると、住民対応、現地調査、修繕・修理の手配など一気の仕事量が増えます。

他にもマンション内で起きる様々なトラブルの対応も行います。

 

主任者の資格のあるなしに関わらず、マンションのフロントを担当する訳ですから、仕事は激務です。

勉強をする時間がない。

これは管理会社でフロントを経験した人であれば多くの人が共感するのではないでしょうか。

・・・・

はっきり言って共感できませんね。

フロントはマンションを知らない

主任者の試験は、民法、区分所有者法、マンション適正化法、標準管理規約、宅建法、登記法などの各法律と設備や関連法規(建築基準法、消防法など)から出題されます。

マンション管理に関係することも多くありますが、ほとんど使用しない法律や知識の方が多いかもしれません。

しかし、試験は試験です。

少なくともマンションに関係する法律はマンションの管理に接していればおのずと身に付く知識です。

それでも合格できない理由は・・・。

マンションを知らないからです。

 

事務処理に多大な時間が必要なフロントはマンションを訪問する機会は月に1~2回程度でしょう。

理事会が数カ月に1度のマンションでは、もっと少なくなります。

さらに、議事録を含めた書類はすべてシステム化されたフォーマットを書く変えるだけ。

資格など無くても務まる仕事です。

その証拠に資格のないフロントも一人前に仕事ができています。

 

機械的に業務をこなしているだけでは、知識は身に付きません。

結果、何度受けても合格できない。

「忙しいから」ではなく「管理業の仕事を理解していないから」落ちる、それだけのことです。

設備や関連法規についても同じです。

定期検査は別部署、別会社が行うからフロントは立会うことは無いのが一般的です。

提出される書類を預かるだけでは何に知識も身に付かなくて当然です。

それで設備の何をしれるのでしょうか?

参考書の知識で合格できるのですか?

勉強をする時間もないのに。

膨大なマンションの設備をすべて覚えることなどほとんど不可能でしょう。

教材はマンションにたくさんある

先日、今年管理会社に入社したフロントの卵の試験勉強をサポートしたお話をしました。

彼女に初めて教えたことは、マンションの中を観察することです。

一緒に歩きながら「廊下の幅の規格は?」「天井の高さの規格は?」「照明の光度の規格は?」「連結送水管の定期点検は何年目から何年毎?」

「この屋上の防水は何?」「外壁の塗装は?」・・・

次々と質問をしました。

1時間程度はマンション内を歩き回ったでしょうか。

正解率は50%以下でしたね。

管理会社に籍がある以上、マンションを知ることは日常業務の中で可能です。

それが出来たいないこと、していないことが合格できない最大のポイントだと言うことに気づかない人が多すぎると思いますね。

せっかくの教材を利用しない。

参考書や予備校だけを頼る。

受験準備の時間が取れない環境の中では、受ける確率が高いわけありません。

もっと、置かれている立場を上手に利用をしないと。

その上、合格しても優秀なフロントにはなれないでしょうね。

 

周りの情報では、管理会社でも合格率は20%程度で毎年、何人も受けていますが受かる人はほんの一握り。

傾向としては受ける回数(管理会社の在籍年数が長い)が多い人ほど、合格する割合はすくなくなるそうです。

仕事が忙しくなり、事務作業ばかりしているからでしょうけど。

 

管理会社に席が有ながら今年、試験に落ちた人に一言。

「もっとマンションを知ってください。」

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