賃貸向け区分所有物件のオーナーさんはマンション管理には無関心なのか?ー2-

賃貸向け区分所有物件のオーナーさんはマンション管理には無関心なのか?ー2-

前回は、賃貸向け区分所有物件のオーナーさんがマンション管理をどのように考えているかついてお話ししましたが、今回は修繕積立金についてです。

修繕積立金はマンションの資産価値を維持するためには必要な費用ですが、分譲マンションの賃貸経営者にとっては負担以外の何物でもないと考えています。

その仕組みはちょっと複雑なので詳しくは別な機会に紹介しますが、居住用に所有する区分所有者の多くは今、住んでいるマンションを終の棲家と考えています。

そのため、修繕積立金も自宅の良好な住環境、資産維持と言う明確な目的があって積立てています。

一方、分譲マンションの賃貸不動産オーナーは、将来的に売却物件と考えています。

そこに絶対的な違いがあります。

マンションに限らず住宅不動産は古くなるに従い、価格は徐々に下がります。

東日本不動産流通機構が「築年数からみた首都圏の不動産流通市場」という2019年のレポートで、5年単位での1平方メートルあたりのマンションの平均の成約単価を発表しています。

このグラフには大規模修繕工事を行ったマンションも含まれています。

でも、見た目がきれいになれば高く売れるのでは?と疑問を持つ方も多いと思いますが、簡単に言うと日本では大規模修繕を行っても不動産売却価格に大きく影響することはなく、築年数が増えると売却価格が下がります。

2021年度マンション省エネ改修提案オンラインセミナー資料より

そのため、修繕積立金は賃貸不動産オーナーにとっては厄介な経費以外の何物でもないことがお分かり頂けると思います。

賃貸用の区分所有物件の修繕積立金の税法上の扱いについては国税庁が取扱いを明確に説明しています。➡こちら

修繕積立金を賃料に上乗せすれば、周辺の賃料相場から大幅に高値となり借手が付かなくなります。

賃貸経営では、一棟オーナーを含めて修繕金は利益の一部を積立てる方法が一般的で賃料に転嫁することはほとんどありません。

賃貸向け区分所有物件のオーナーが修繕積立金をどうのように考えているかイメージして頂けたでしょうか。

だからと言って管理費や修繕積立金の支払いをしないことは許されません。

いずれも区分所有法に明記されている区分所有者の義務です。

管理費については賃貸物件の価値を上げるための値上げには一定の理解を示すこともありますが、修繕積立金の値上げは拒否感を強く持っていると言えるでしょう。

次回は今後増えると思われる外国人投資家の管理費や修繕積立金について考えます。

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