マンションの屋上に太陽光発電を設置する時の問題点を考えてみた

原発政策の方向転換を明確にした岸田内閣。
新築住宅への太陽光発電設備の設置の義務化を決めた小池都知事・
世の中の動きは化石燃料を使用しない方法でいかに電気を作り出すかを真剣に考える時代になっているようです。
需要が高まれば当然、課題も見えてきます。
そこで、今回のテーマはマンションの屋上利用して期待されている太陽光発電を設置する時の問題点を考えます。
マンションの屋上は広い
太陽光発電を設置した戸建ての屋根を見かけることは多くなりました。
しかし、マンション等のビルの上に太陽光発電を設置している建物を目にすることはありません。
当然、高い位置にビルの屋上はありますが、なぜか、あまり利用されていません。
これは都内江東区錦糸町にある商業施設から街を撮影した写真ですが、屋上の利用が進んでいないこと、かなりの屋上空地があることがわかります。
この敷地を利用しない手はありませんが、なぜか利用されない。

屋上は修繕の必要がある
マンションの屋上には防水施工がされています。
雨から専有部分、躯体全体を守るためです。
太陽光を直接浴びる屋上の防水は劣化は早く、一定期間毎に修繕を行う必要があります。
太陽光発電のパネルを屋上に設置した場合、その修繕をどのように行うことができるかが大きな課題です。
修繕の度にパネルを外すと工事の規模も大きくなり、費用も莫大になります。
他方でパネルと設置することで直射日光を遮る効果もありますが、部分的な屋上劣化は避けられず、やはり、デメリットを払拭するまでの期待はできません。

立地条件と周辺環境
マンションの周辺に建物の立地によっても太陽光発電が可能なマンションは限定されます。
他の建物より高いことが条件になります。
特に東、南、西の日照時間が重要です。
隣地するビルやマンションが一方方向でも塞いでいる場合、発電能力は極端に落ちると考えるべきでしょう。
また、太陽光パネルを設置後に隣地に大きな建物が建った場合も想定すべきです。
土地の所有者を調べ、マンションの建設が可能な土地がある場合、地主との協議も必要になるかもしれません。
強風への備え
異常気象は今後も起こる可能性は高いと言われています。
巨大台風、ゲリラ豪雨、竜巻。
このような被害はどこで起きるかわかりません。
事実、地上に設置された太陽光発電パネルが被害を受けた映像は頻繁に見かけます。
都心の高所に設置するパネルが万が一風で飛ばされた場合、周辺に与える影響は甚大です。
場合によっては死者が出ることも考えられます。
特に30mを超えるマンションに設置する場合の想定される災害による周辺への影響は計り知れません。
特に太陽光パネルは一定角度を付けて設置する必要があり、風向きによっては非常に飛びやすいことも事実です。
30m以上の場所に太陽光パネルを設置する技術的な方法の確立も必要になります。

損害保険
この事態を想定した場合、マンション管理組合がそのリスクを負ってまで太陽光発電を導入するメリットがあるのか?
また、万が一に対応する保険を受け持つ保険会社、保険商品があるのか?
これは今後、マンション、商業ビルに太陽光発電を導入する機運が高まったとしても最大の問題点になると考えています。
当事務所で調査した限り、太陽光パネルを推し進める施工会社でも損害保険については保険会社の領分と分けて考えています。
保険会社への調査はまで行っていませんが、マンション共用部分の損害賠償に太陽光パネルを含んだ場合、その保険料はかなり高額になるのではないかと思われます。
まとめ
東京都のHTT推進啓発隊に参加したことでマンション共用部分の省エネ導入を勉強しました。
実際のところ、共用部分の省エネは照明器具をLEDに変えるぐらいしか方法がないこともわかってきました。
特に共用廊下が開放系のマンションは保温、遮光、空調等の省エネは難しいと言えます。
やはり、マンションでは専有部分に限定した省エネ対策を行うことが中心になるようです。
マンションの屋上は魅力ある場所ですが、今回紹介した問題点を技術的に解決した上で国や行政が後押しすべきなのだろうと考えています。
それ以外に電気自動車用のエネルギーステーションも国の補助金制度を使って多くの組合が導入したようですが・・・。
これについてももう少し勉強してからアップします。
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