マンション管理士事務所を開業1年を振り返って-1

FJマンション管理士事務所を開業して1年が経ちます。

そこで1年間の活動を通してマンション管理士事務所を立ちあげるために準備すべきことをまとめました。

もちろん、これは1例で他にもいろいろな方法があります。

あくまでも一つのケースとして考えてください。

自分の経歴を客観的にみる

マンション管理士の資格を取得した方のすべてがマンション管理に携わってきたわけではありません。

それぞれ個人で事情が異なります。

まず、最初に行うべきことは、ご自身のキャリアを確認する作業です。

所謂、自分にマンション管理士の仕事ができるかを知ることです。

マンション管理士の仕事は、マンション管理組合が抱える様々な問題を正しく導くことです。

そのためには試験で身に付ける法律等を把握していることは当然で、それ以外の多岐に渡る知識が必要になります。

1、躯体や設備を肉眼で見て劣化の程度を把握する知識

2、給排水の知識

3、仕分け、収支報告書、賃借対照表を読む知識

4、区分所有法、マンション適正化法、標準管理規約、標準委託契約書に関する知識

5、長期修繕計画表を読み、作成する知識

6、聞く力(情報収集力)

7、話す力(プレゼン能力)

分譲マンションは賃貸マンションと同じ点と異なる点がはっきりしています。

構造体としてのマンションは、分譲でも賃貸でも大きな違いはありません。

各設備のタイプが異なるなどの差はありますが、必要な設備と言う点では同じです。

違いは運営です。

賃貸マンションはオーナーの意志ですべてを決めることが出来ますが、分譲マンションはそこに住む組合員の合意によって決定されます。

この違いは決定的で、設備の知識、会計の知識、修繕の知識は案件が発生した時に必死に勉強すれば何とかなります。

また先輩(経験者)に相談することもできますが、聞く力、話す力は皆さんがこれまで社会生活の中で経験してきた総合力が必要になります。

最近では顧問を選定する際も複数のマンション管理士からプレゼンを受け、その中から顧問マンション管理士を選ぶことは普通に行われます。

聞くこと、話すことが苦手と言う方は、開業しても苦労されると思います。

知識は身に付くが、コンサルタントとしての能力は経験が必要になる

聞く力、話す力を身に付ける

マンション管理士は名称を独占的に使用できる資格です。

開業の有無に限らず、この資格を使って相談を受ける機会を増やすことが重要です。

マンションの相談会は各自治体とも定期的に開催しています。

自分が住む自治体のホームページで相談会の有無を確認し、どうやったら参加できるかを聞いてみることです。

相談に関わる機会をできるだけ増やす

多くの自治体は、日本マンション管理士会連合会(以後、日管連と言う)と共同して行っているようです。

実際、資格所得後、地域を調査し、日管連の入会説明会に参加、入会後、所属する支部の相談会に参加しました。

開催回数は限られますが、生の相談を先輩のサポートとして聞くだけでも勉強になります。

管理会社に在籍、フロント業務を経験している人で開業している方が多い理由は、理事会や総会を始め、住民の方から要望や不満、トラブルを解決してきた経験があるためです。

とは言え、管理会社のフロントなら誰でもなれるかと言えばそうではありません。

日々の業務中で組合員にどれほど寄添い、親身になって問題解決に対峙してきたかによって成功への道のりはことなるでしょう。

管理員の経験者も同じです。

管理員はフロントと違いもっとも住民に近い場所で仕事を経験したことを活かすことが出来ますが、重要なことはやはりどのように仕事に対峙してきたかでしょう。

理事や監事の経験者も同じです。

住民の合意形成の難しさを経験されていると思いますが、理事長、役員、監事を経験して管理士の資格を取得してもすぐに開業は難しいでしょう。

聞く力、話す力がどうしても必要になります。

役員の皆さんから相談を受けると日々の愚痴を中心に「何を知りたいのかな~」と思うことが多くあります。

自分から見た意見を淡々と話しますが、それを真に受けて結論を話すようなことはできません。

相談の多くの対象は、管理会社、理事会、役員、組合員であり、主観による相談が多く、だからこそ、マンション管理士には客観的な判断力が求められます。

いまの自分にコンサルティングができる聞く力、話す力、客観的な判断力が備わっているかを見つめることが重要

活動の拠点を準備

士業を始めと時に必要になるのは事務所です。

と言っても店舗を準備する必要がありません。

自宅を事務所にすることで拠点はすぐに用意することが出来ます。

「○○マンション管理士事務所」を事務所の名称にすると良いでしょう。(〇〇は苗字)

*事務所活動費はできるだけ使わないことをお勧めします。

特に事務所の設置費用は士業にとっては節約すべきです。

自宅の住所を明らかにしたくないと言う方にはバーチャルレンタルオフィスも良い方法です。

FJマンション管理士事務所ではレンタル事務所を活用しています。月3,000~5,000円で利用可能です。(サービスの内容によって価格は違います。)

都内にある貸会議室を安価に利用できると割切れば、コストパフォーマンスも良いと思います。

また、日管連に所属することを考えている方は、事務所の所在するエリアで所属する支部が決まるので活動をいろいろと調査した上え所属先を決めることも重要になります。

事務所を公にする方法

士業は個人事務所です。

マンション管理士として実績がゼロの方には、貴方の経歴や活動内容がわかる情報を公にする必要があります。

理事長を始め役員の皆さんに貴方は何者かを知ってもらうための情報です。

当事務所はホームページを選択しました。

作成は外注も考えましたが、外注の場合はメンテナンスを自分で行うことで苦労すると思い、1年間、ワードプレスの勉強をしました。

メンテを考えた時、サイトは自力で作成することがお勧め

実際、管理士会の支部のホームページを見ると、外注で作成したサイトは更新がなく、「活動しているの?」と逆効果になります。

他力で作ったサイトを運営するのは結構苦労します。

ホームページについては全く知ろうと言う訳ではなかったのでサイトの構成はすぐに出来ましたが、記事の準備等を含めて公開までに1年かかりました。

作成した時はSEOやgoogleでの検索はまったく考えませんでしたね。

元々、日に何百人に閲覧されることを目的にしていません。

お客さんに名刺やリーフレットを渡した時に見てもらうことを考えていました。

検索からホームページを見てくれる人は、最近少しずつ増えましたが、SNSでの宣伝はTwitterやFacebook、noteに記事を投稿することで行ってきましたが、最初からあまり期待はしてません。

SNS等に初めから過度な期待はしないこと

あくまでも偶然、見つけた方、あるいは名刺やリーフレットを見た方が、FJマンション管理士事務所の活動を確認できる情報としてホームページを運営しています。

googleビジネスは信頼を高める効果はある

新人のマンション管理士に足りないことは、実績と信用です。

どちらも実績を積めば信用は生まれますが、最初からそれは期待できません。

せめて、運営するサイトはgoogleビジネスに登録することで事務所をしっかり運営しているがgoogleに認められていると示すことは役立っています。

簡単なようでgoogleビジネスはそれなりに手間がかかります。

事務所の場所や表札(屋号)、身分証明書の提出が必要になります。

お客さんに「事務所名でgoogle検索してください。」と説明するとgoogleで紹介されていることがわかり、お客さんにそれだけで安心感を与えることができます。

ただし、googleビジネス単独で集客に期待しないことです。

当事務所は、毎月、相談会を開催していますが、相談会の参加者に聞くとgoogleからの参加は1割程度で他の方はTwitter、noteから応募しています。(google検索で探しているようです。)

恐らくですが、googleビジネスに登録、サイトの更新、SNSへの投稿などの複数の要因があって検索数が上がっていると思われ、googleビジネスだけで集客はそれほどの効果はないと考えています。

Googleは信用を高めるために利用することをお勧め

名刺、リーフレットを準備する

サイトをオープン後に始めたことが電話、メールの相談です。

もちろん、1~2ヶ月は何も起こりません。

それは当然です。

元々、アクセスが多い業種ではありません。

大手管理士事務所がgoogleに広告を出し、検索順位も低ければアクセスも皆無。

人目に触れなければ、誰も応募するはずもありません。

この時は正直、心が折れそうになりました。

それでもネットにそれ程大きな期待をしていなかったので、とにかく事務所の存在を知ってもらう方法を考えました。

そこで準備をしたのが名刺と事務所のリーフレットです。

名刺もリーフレットも自作しましたが、名刺はシンプル。

リーフレットはパワーポイントで作成、印刷しました。

しかし、これが大失敗。

頭でっかちが伝えたいことを詰め込み過ぎて、読む側にはまったく訴えるものがなく、事務所周辺でポスティングをしましたが、連絡は一切ありませんでした。

その時、たまたまお会いした理事長から「文字も小さい、言いたいことがいっぱい過ぎて結局、貴方に連絡すると何を解決できるのかがさっぱりわからない」と言われ、何度か作り直しましたが、結果は同じでした。

そこで「無料訪問相談」と「無料体験コンサルティング」に絞り、再度自作しました。

知合いになった理事長さんに見てもらうと「少し良くなったね」とマンション管理の相談を受けることになり、知合いのマンションにも配ってくれると・・。

ただし、まだまだ、盛沢山すぎる。と忠告もされました。

もっとシンプルな方が良いと言われ、第三者の力を借りることに・・・。

ただし、マイナス要因だけではありませんでした。

パワーポイントを使うことに慣れ、その後のプレゼン資料の作成に大きく役立ちました。

最近は複数の管理士にプレゼンをさせた上で契約先を決める組合が多くなっています。

プレゼンの善し悪しは顧問契約件数に直結します。

パワーポイントは自在に使えるように慣れること

今回はここまでです。


おまけ

マンション管理士を生業に事務所を立上、運営するためには安定した収入が必要になります。

マンション管理士の収入についてまとめました。

想定される業務仕事内容、その他注意点
顧問契約(長期)マンション管理士の本業
顧問料の設定がポイント(実力、経験がないのに高くするとアウト)
経験を積み実績が上がれば、顧問料も高くすることができる
最近は理事・監事就任の要請もある
プレゼン能力が問われる➡相談員として場数を重ね経験を積むことが大事
日本マンション管理士連合会等の団体への所属していると顧問先を紹介されることがあります。
単発請負業務主に規約改定、管理会社のリプレース、長期修繕計画、大規模修繕工事の短期契約
意外に多い管理の見直し(理事会運営など)
それ以外ではマンション内のトラブルの解消
理事会・総会へのスポット参加
プレゼン能力が問われる➡相談員として場数を重ね経験を積むことが大事
事務所主催の相談会・セミナー基本は無料(営業活動の一環)
メール・電話・オンライン・対面会場費など自己負担がある
集客できるかが最大のポイント(営利になるため公共施設の利用はできない)
*集約できれば顧問契約に直結する
プレゼン能力が問われる➡相談員として場数を重ね経験を積むことが大事
行政請負(国交省)事務所として受けることはできない
日本マンション管理士連合会等の団体への所属が必要
*それ以外の団体でも同様の仕事はある
それなりの依頼はあるが競争率が高い
最近では管理計画認定制度の審査・電話相談員
行政請負(自治体)事務所として受けることはできない
日本マンション管理士連合会等の団体への所属が必要
*それ以外の団体でも同様の仕事はある
それなりの依頼はあるが競争率が高い
代表的な例としては届出制度の調査員
アドバイザー制度、都の相談員など
日本マンション管理士連合会
各支部も含む
運営に参加する
時給で日当がでる
管理計画認定制度相談員、ADR担当、マンション管理適正化評価サービスなど
管理士会等の相談業務月に1~2回程度、交通費程度
あくまでも経験の場として提供
*貪欲に参加することが必要
各支部の相談業務月に1回程度
交通費程度、無償の場合も多い
あくまでも経験の場として提供
*貪欲に参加することが必要
マンション管理適正化診断サービス日本マンション管理士連合会等の団体への所属が必要
診断マンション管理士の資格が必要(年に1回の講習)
診断金額は比較的高額
件数はそれなりにあるが受注は支部次第とも言える
支部によっては一の会員が独占していることもあるらしい。
管理計画認定制度パターン1による補助作業(申請は管理士はできません)
パターン4による補助作業
いずれも顧問契約と同等の仕事内容
FJマンション管理士事務は分譲マンション生活に係る様々な情報を発信しています。
また、皆さんからのご質問や相談をお受けしています。
お気軽にお問合せください。


最後までお読み頂きありがとうざいます。
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