賃貸向け区分所有物件のオーナーさんはマンション管理には無関心なのか?ー1-

賃貸向け区分所有物件のオーナーさんはマンション管理には無関心なのか?ー1-
せっかめは長く賃貸不動産のアドバイザーをしていますが、マンションの管理への意識はオーナーさんによってそれぞれです。
一棟オーナーはマンション管理費はすべて経費となります。
少しでも安く抑えたいと思っていますが、経営上、重要なコストとも捉えています。
特に日常清掃、ゴミ室の管理、マンション周りの植栽は賃貸契約率(契約数/内見数)や更新率に直結するため、一定の支出もやむをえないと考えています。
そのため、アドバイザーへの期待も要求も大きい要素と言えます。
一方で管理費に対する理解があるためアドバイスする側としてはやり易いと言えます。
こちらからの提案はすべてオーナーが決めるため、スピーディーな対応ができます。
これに対して賃貸用の区分所有物件のオーナーさんは、かなり事情が異なります。
提案は理事会が組合員からの要望や管理会社から行われることが一般的です。
中には理事長の意志で提案が上がることもありますよね。
このような提案は、理事会で採択され管理会社を通して実現することが一般的な業務の流れになります。(内容によっては総会の議決が必要な場合もあります。)
しかし、同じ組合員と言っても自らが居住する方と賃貸物件として所有する方では管理に求めるものは異なるケースが多く、賃貸物件のオーナーの意見が反映されるには高いハードルがあると言えます。
例えばエントランス周辺をきれいにしたいと思って植栽にもう少し予算を割いて欲しいと考えても他の組合員の同意が得られなければ実現ができません。
賃貸物件でニーズが高い、宅配ボックスの設置やペットの飼育可もひとりの提案だけではどうにもなりません。
特に予算計画の内容や規約の変更に係る提案は、少数派の意見が叶うことはほとんどありません。
結果として賃貸物件を所有する組合員(オーナーさん)は、管理組合の運営には無頓着になり、管理組合の活動にも「適当に処理して・・。」と言われるケースが多くあります。
その理由は自分一人で決められないことが最大の理由です。(一棟オーナーさんの違いですよね)
区分所有物件はマンション管理組合全体で規約の改定には
区分所有物件の規約の改定は、マンション管理組合全体の3/4以上の同意が必要ですが、そう簡単に得られるものではありません。
そのことを知っていれば無関心になるのも仕方がないことかもしれません。
一方、投資用分譲マンションでも大多数が投資家さんが所有しているマンションでは事情は違ってきます。
組合員の多くは投資家さんですから、管理には一定の方向性が同じです。
「借手が付きやすい物件」が共通の意識にあるだけで組合はその意向を踏まえた管理方針にまとまりやすくなります。
借手が付きやすい物件であることは、空室率を抑え、高い利回り(儲け)を維持するためのポイントになります。
このようなマンションではオーナーさんも管理組合の運営には積極的になります。
賃借人からクレームが多い管理会社は比較的短期間でリプレースをすることもあります。
建物の外観も賃貸契約では重要な要素になるためエントランス付近、館内の清潔感の維持は最重要課題になります。
これ以外にもこのような投資対象となっているマンションでは、各部屋の間取りや住民の年齢層によっても管理に求めるものが異なります。
ファミリー向けであればセキュリティーは最低限必要な機能です。また、お子様の年齢によっては騒音問題も起きやすため、管理会社のフロントのスキルも重要になります。それ以外にも管理人さんに求められるスキルは、奥様方やお子さんと接することが多いため、ソフトな接し方が好まれます。
DINKS向けであれば日中はほとんどマンション居住者はいなくなります。(共稼ぎがほとんどですから)
その代わりにクリーニングサービスや夜間の事務処理の受付窓口などがあると喜ばれます。
共用部分のサービスは、専有部分のセールスポイントとは異なり、建物全体としての評価に直結するため、組合員の意志もまとまり易いと言えます。
多少の管理費のアップも空室率を低く抑えることができるのであれば許容できると考えています。
このようにマンションの管理への意識は、その所有する物件の事情によって異なっているため、一概に投資家が管理に無関心とは判断することは出来ないと言えるでしょう。
管理については以上ですが、これが修繕積立費になるとまったく違った事情になります。
つづく
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