マンション理事会にはかなり気になる話です

昨日、大手管理会社の役員の方とお会いする機会がありいろいろとお話をしました。
管理会社は来年、委託料の値上げは必至だと考えているようです。
マンション理事会の方にはかなり気になる話です。
これは特定の管理会社の話ではなく、業界全体の流れだと話されていました。
受託(理事会からすると委託契約です)契約費の値上げの理由をまとめました。
1、最低賃金の値上げ
最低賃金は全国で1,000円を目標に今年も大幅に更新しました。
マンションの委託契約には管理人の派遣費が含まれています。
東京では最低賃金はすでに1,000円を超え、マンションの管理人さんの時給も1,200円程度が最低かもしれません。
しかし、地方では時給の値上げが必要な県もあります。
このようなパート契約者の人件費は委託料が値上げされる大きな要因になります。
2、ベースアップ
政府の方針で経済界も来春には大幅ベースアップの方針を受入れる模様です。
管理会社が属する労働組合もベースアップを要求しています。
各家庭にとっては嬉しい会社のベースアップですが、皆さんのフロントもベースアップされます。
人件費の値上げは会社の固定費の増加につながり、利益率を低下させます。
結果として委託料の値上げにつながります。
3、物価高騰
食品ばかりが注目されていますが、コピー用紙を始めとする事務用品も値上がりしています。
管理会社は事務処理の委託契約です。
資材の値上げは原料費と輸送費の影響が大きく、価格が上がっていない製品を探す方が大変なぐらいです。
管理会社の経費も物価の上昇により負担が増加しています。
4、光熱費の値上げ
電気代等はマンションの共用部分だけではなく、管理会社も同じように値上げの影響を受けています。
特に管理会社は地域ごとの支店制度が主流です。
支店が多ければそれだけ維持費もかかることになり、電気代等の経費負担の増加を避けることはできません。
このような背景で、来年以降のマンション管理委託料は値上げする管理会社が多くなると聞きました。
委託費以外も値上げが見込まれる
委託契約はマンション管理組合によって異なりますが、委託費に法定検査、自主点検、メンテナンスの費用を含む場合は値上げの幅も大きくなります。
法定検査の検査費用の値上げ、自主点検費用の値上げが委託料を押し上げる結果になります。
修繕積立金計画にも影響する
修繕工事費の資材、人件費の値上げも必至で修繕積立金計画にも少なからず影響を与える見込みです。
現在の国土交通省の指針では、長期修繕計画の見直し年数は定めていません。(以前は5年ごと)
昨年、計画期間30年、2回以上の大規模な修繕工事を含む計画であることと改定されました。
この計画から算出される修繕費を下回らない積立金計画が必要になります。
修繕費全体が物価高騰の影響を受ければ、当然、修繕積立計画も見直す必要に迫られます。
採算が悪い委託契約の更新しない
ここ数年、管理会社から委託契約の更新を行わない事例が多く報告されています。
管理会社も委託料が低額で、かつ手間暇が多い管理組合との契約は採算が合わないケースは更新をしないとはっきりと言っている管理会社もあります。
この流れは来年以降、採算が見合う委託料の値上げ要請に応じない場合、更新をしない選択肢も管理会社によっては考えていると話していました。
来年の見通し
以前は「リプレースするよ」と値上げ交渉では使われてきましたが、来年以降は「更新しなくても良いんですか」と立場が逆転するケースが増える見込みです。
管理費を安く抑え、修繕費で儲けるグループ会社であれば別ですが、中堅小規模の管理会社はそれも出来ません。
今年、管理会社の数は減少しています。
廃業や統合が進んでいます。
来年以降もこの傾向は続くと思われます。
実際、管理会社間で合併の噂を聞くこともあります。
数年前は薄利多売の契約件数で利益を得ようとしていましたが、ここにきてそれも難しくなり、適正に管理が行われているマンションとの契約に重きを置く会社が増えています。
来年以降の委託契約は更新ではなく、委託料の値上げによる再契約に理事会は備える必要があります。
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