起業できずに苦しむ国家資格者たち

今日は国家資格と起業(お金を稼ぐ)についてお話しします。
私はマンション管理士、賃貸不動産経営管理士、宅建士、管理業務主任者、ファイナンシャルプランナー(AFP認定)の資格を持っていますが、起業時には何の資格もありませんでした。
仕事を初めて必要になって取得した資格と仕事上役に立つと思って取得した資格です。
宅建や管理業務主任者は独占業務(この資格者しか出来ない仕事)があるため、不動産売買では宅建士、分譲マンション管理会社では管理業務主任者が必須の資格になります。
ほとんどの方は各会社に就職後に、会社の指示もあって取得する資格になります。
FP(ファイナンシャルプランナー)は金融機関、保険会社では絶対必要な資格ではありませんが、スキルの証してして取得される方が多いのではないでしょうか。
折角取得した資格です。
出来れば独立して自分で稼いでみたい。
これは誰でも思うことです。
しかし、現実はそれほど甘くはなく、資格を取得したけど起業できずに悩んでいる方も多いはずです。
今回はマンション管理士を例に起業することが出来ずいる人たちに向けたメッセージです。
マンション管理士の知名度は低い
多くの皆さんには馴染みが薄い「マンション管理士」ですが、マンションの管理人さんではありません。
マンション管理士は国家資格です。
分譲マンションの管理に関する専門知識を認められた者です。
具体的な仕事としては分譲マンション管理組合への助言を行う顧問契約になります。(これ以外にもいろいろありますけど)
この業務はコンサルティングのひとつですが、宅建士や管理業務主任者のように独占業務ではありません。
マンション管理士の資格取得者以外に出来ない仕事はありません。
例えば、マンション管理コンサルティングと名乗る人がいれば特に資格がなくてもできますが、「マンション管理士」と名乗ることは法律違反になります。
これを名称独占資格と言います。
管理業務主任者がよく名刺の肩書に「マンションプランナー」をよく使いますが、何のこと?って感じですよね。
マンション管理士も似たようなかもしれませんが、違いは国家資格だと言うことです。
独占業務が出来た?
最近やっと管理計画認定制度の事前確認と言う仕事ができました。
これを独占業務と言っていいのかはわかりませんが、マンション管理士の資格を持ち、一定の講習を受け、一定の知識を持つことを確認された者だけが実施できる業務ができたことは確かです。
ただし、まで制度自体が2022年4月から始まったばかりで普及率は・・・分譲マンションの数からすると1%あるのか~と言ったところです。
仕事として成立しているか?
マンション管理士事務所を運営されている方は数多くいますが、マンション管理の顧問契約だけで生計を立てている方は僅かです。
もともと顧問契約やコンサルティング契約は、どこかうさん臭く、本当に必要なの?
居なくてもやれるし、現在もやっていると言うマンション管理組合の方からの意見が多いことは事実です。
特にマンション管理組合の財政状況が潤沢な組合であれば契約の検討も可能でしょうが、お金のない組合ではいれば便利だけど金を払ってまで契約する必要性を感じないと訪問相談などではよく言われることです。
確かにそうだなーと思います。
これに似た状況はFPも同じです。
ファイナンシャルプランナーと契約される方は裕福な富裕層です。
余ったお金を運用する、保険契約等の面倒なことを任せる。
家計が火の車で1円でも支出を減らしたい方が数千~数万円の費用を支払ってまでアドバイスを受けることはまずありません。
このような現状で各資格者たちは無料相談に集まる「タダなら聞きたいことはたくさんある!!」と言う人たちを相手に習得した知識を使うことにまります。
結果として資格だけでは生計を維持できないため、あくまで副業として資格の経験を少しずつ積み上げることになります。
その機会を提供する組織が各資格を運営する○○協会等の存在です。
経験を得るための費用は年会費であったり、講習会参加費用だったりします。
協会の発展に貢献した人たちを肥やすためなのかもしれません。
しかし、そこに起業のノウハウが提供されることはありません。
起業は無理か?
資格=起業は無理だと思います。
資格を活かした現場を数多く体験することが必須です。
会社に在籍して資格を活かした仕事を経験した人であれば、一定のスキルを持ったあとで起業の可能性はあると思いますが、資格を取ってすぐに起業しても成功の確率はかなり低いでしょう。
マンション管理士の場合を例にお話しすると積極的にセミナーや勉強会に参加するようにしていますが、ここでいつも気になるのは若手が少ないこと。
マンション管理士の資格取得の難易度が高いためのでしょうか、若手は少ないですね。
管理業務主任者の延長上にあるとも言えるマンション管理士ですが難易度が違いすぎます。
管理業務主任者も簡単な資格ではなく、多くの管理会社の社員が受験していますが合格率は20%前後です。
私(現在61歳)も若手ではありませんが、明らかに自分より年上の人が多く参加されています。
多くの方はマンション管理士としての経験がなく、これから起業をされる方が多いようです。
生活の糧としては別の仕事をされている方も多く、老後の仕事?として検討されているのかもしれません。
起業のノウハウはない
成功者の話は聞くようにしていますが、精神論は参考にしていますが起業までの道すじは同じことをやっても成功するとは思っていません。
ここ1年いろいろなセミナーや勉強会に参加しています、知識の習得ができますが、起業へのアプローチを説明するセミナー等は一回もなかったと思います。
これも当然で、成功した方がライバルを増やしかねないノウハウを提供することは思えません。
また、顧客を見つける方法を簡単に伝授するとも思えません。
私もネットを中心に活動していますが、無料訪問や相談会を地道に続けています。
先輩マンション管理士からは「ネットは無理だよ、年寄りは見ないよ」と忠告されています。
実際、私もそう思います。
けど、今マンションを購入している方は30~50代です。
5年後、10年後を考えればネットは武器になると思っています。
マンション管理士として事務所を立ち上げてから半年で2件の顧問契約は自分でも驚いています。
経営方針は間違っていなかったと思っています。
来年以降もこの活動は続けます。
他人と同じことやっていても所詮、先駆者を超えることはできません。
試行錯誤、チャレンジ精神があれば道は開けると思っています。
ただし、無策ではいくら努力しても報われるわけではありません。
「努力は必ず報われる!」と言った方がいましたが、あれは自分を押す力を得るために自分に言った言葉であり、決して他人に向けたものではないでしょう。
成功者が語るからノウハウであり、失敗すれば苦労した想いで話です。
ノウハウを他人から学ぼうとすること自体が虫のいい話で成功者のノウハウ本でどれだけの人が成功者になれたのか?
結局はノウハウ本を出版した人の懐を豊かにしただけかもしれません。
当事務所も賃貸不動産のアドバイザーを始めた頃は悲惨な経営でした。
でも、その経験は今生かされています。
無策は無理
区分所有者の中にもマンション管理士の存在を知る人は少なく、管理人さんなの?と聞かれることも少なくありません。
FJマンション管理士事務所も主力は賃貸マンションアドバイザーです。
マンション管理としての実績は今年の6月に始めたばかりですが、幸いにも数件の顧問契約は締結することが出来ましたが、売上の比率としては5%もありません。
ネットでマンション管理士の仕事と引くと「仕事がない」などあまり景気の良い話はありません。
マンション管理士の資格を取得したくなるような内容の記事はありません。笑
中には将来有望と業界の事情も知らない人が書いた記事がありますが、それほど甘くはありません。
その上、マンション管理士の国家試験の合格率は10%前後、試験だけは難しいことで有名です。
資格を取得することが目的ではなく、それをどう生かすか?
誰に何を提供するか?
これを実現させるための策は何か?
考えて考え抜いてください。
そこに道が開けるはずです。
資格が資格を活かす
FJマンション管理士事務所は賃貸不動産を主力としています。
その意味ではマンション管理士は現時点では副業、ひとつのアイテムのひとつです。
ましてFPに関してはアイテム(商品やサービス)としても現時点では考えてはいませんが、将来有望なアイテムに育つ可能性があると判断しています。
その理由はすべての資格はお客さんにとって有用な知識を提供できると考えているからです。
主力のサービスの賃貸不動産のオーナーは富裕層です。
しかし、投資には興味がありますが家計には無頓着な方が多く、奥様から良く愚痴を聞かされます。
これがビジネスチャンスの一例です。
賃貸不動産は不動産売買が大きく関わります。
求められる資格は売買時の宅建士、マンション管理の管理業です。
現在は管理業務だけを仕事にしていますが、将来的に宅建業も視野に入れています。
どの場面でも必要になる知識がファイナンシャルです。
このように資格は資格を活かし、可能性を拡大します。
資格の活かし方は皆さんのアイデア次第です。
地道な経験が役立つ
FJマンション管理士事務所はマンション管理士でもかなり異質な出身です。
FJマンション管理士事務所は管理員出身です。
賃貸経営の過程で区分所有者、理事、監事の経験が出来たこと、リプレース、大規模修繕工事等を体験できたことは大きな財産です。
今になってみるとこれがどれだけ良い経験になっているか計り知れません。
分譲マンションは管理業務と現場業務があります。
多くのマンション管理士は管理業務の専門家だと思っています。
確かにマンションに関する会計、出納、修繕業務(基幹業務)のスペシャリストですが、それを求める管理組合は多くありません。
最初にお話した「お金を支払う必要性、価値を感じない」と多くの方が思っています。
なぜなら、管理会社が法律で定められたルールに基づき行っているためです。
中にはフロントの対応が悪く、管理組合の皆さんから不信感を持たれリプレースされることもありますが、それはほんの一部でマンション管理士の数に比べれば件数は多くありません。
大規模修繕工事は建築の知識、プラス現場経験が必要な仕事であり、主役は建築士や設計会社です。
試験に合格したからすぐに出来る仕事ではありません。
当事務所が短期間に仕事を得ている理由はひとつです。
マンションに住む方々に分かり易く、日々の生活中で実感できる効果を提供できているからだと思います。
その基本が管理員の経験です。
管理会社のフロントがマンションを訪問する回数は精々月に2回程度でしょう。
それではそのマンションに住む方が何を求めているかを理解できるはずがありません。
各マンションに週に何度も出勤して日々、住民と挨拶を交わし、困りごとに対応するのは管理員です。
しかし、多くの管理会社はフロントがマンションを動かしていると勘違いをしています。
これはマンション管理士も同じ考えの方が多いのではないでしょうか。
現場を知らずしてマンションを知ったとは言えません。
このことはコンサルティング体験モニターに参加された管理組合の皆さんからの感想文からも知ることが出来ます。
マンション管理士で起業を目指している方はもっともっと現場を知らないと仕事を委託されることはありません。
知識だけなら優秀な方はたくさんいますが、机上の仕事だけで動くほどマンションは簡単な集団ではありません。
感情が渦巻くひとつの社会です。
昔、営業の先輩に「自社の商品を好きになれない奴が売れると思うか!」と言われたことがあります。
自分が提供するサービスに自信があるから積極的に動けます。
その自信をどう身につけるか。
そのためには現場を知り、現場の問題点を住民目線で感じることです。
これはマンション管理士だけでなくファイナンシャルプランナーも含めたコンサルティングを生業にする仕事の本質です。
最後に当事務所に寄せられる言葉に「これだけのことでこんなに変わるとは思っていなかった」
この意味を理解できるかどうかが起業のポイントだと思っています。
だらだらと思いつくままに資格の事を書き綴りました。
せっかめ
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