
2章では中古マンション購入者がどんなマンションを購入しているのかを確認しましょう。
「気になる・・・。」
そうですよね。
特に中古マンションは築年数、間取り、設備など建設されて時期によって大きく異なります。
同じ中古マンションを購入を検討している人にとっては興味津々です。
気になる気持ちを抑えて、まずは中古マンション市場の特徴と動向を知ってください。

2012年価格を100とした価格上昇
ニッセイ基礎研究所作成

三井住友トラスト不動産HP出典
2つの図を示しましたが中古マンションの場合、新築と中古マンションともに販売価格の上昇率は同じように上昇していることが判ります。(注:価格の違いではありませんので注意してください。)
また、中古マンションは築年数により販売価格に特徴があり、築20年前までは新築価格から一定の割合で低下しますが、築20年を超えると価格の低下率がなだらかになることがわかります。言い換えれば築20年過ぎと築35年もほぼ同じ価格で販売されていると言うことです。(2011年データですがこの傾向は変わっていません。)
この事実を頭に入れた上で中古マンションの価格推移を確認しましょう。

三井住友トラスト不動産HP出典(編集)
今回使用するデータは枠で囲んだ範囲が調査期間になります。調査は東京23区、首都圏、近畿圏、中部圏になるため示したデータよりは価格は低いと考えてください。
尚、1坪は3.3㎡にmなり、例えば70㎡の場合は約21.2坪です。坪単価が241.4万円(2018年首都圏)の場合、販売価格は5120.6万円と算出できます。
それでは本題に入ります。
今回の結果も出典先は国土交通省の令和元年度住宅市場動向報告書が主になります。
1、築何年のマンションを買ったの?

国土交通省令和元年度住宅市場動向報告書再編集
全体の70%以上の方は築年数5~30年未満のマンションを購入されています。
築年数が20年前後で価格の傾向が変わるとお話ししましたが、50%以上の方は、新築よりも価格が安価になっているが不動産価値が高い中古マンションを購入されていることがわかります。
築20~30年未満のマンションを含めて、築年数に関わらず幅広く買われていると理解して良いのではないでしょうか。

一方で築30年以上のマンションを購入されている方も20%いることがわかります。
ただし、築30年以上のマンションは耐震基準の問題を含んでいます。
耐震基準は新耐震基準に1981年6月1日が適用されているため、令和4年時点で築41年(調査時期で築33~38年)以前に建てられたマンションは未達成の可能性があります。
耐震基準に達していない物件を購入するには様々なデメリットがあります。
融資が得られにくい(耐震基準を満たすことを要件にしている場合もあります。フラット35など)、不動産登記時の登録免許税や不動産取得税などで減税措置を受けられないなどが代表的なデメリットです。
特に分譲マンションの場合、耐震問題が不動産価値に直結するため、多くのマンションでは耐震工事を実施していますが未だに実施されていないマンションもあり購入時には十分な確認が必要になります。
2、どれぐらいの広さのマンションなの?
やはり広さは気になりますよね。
マンションを買う以上は少しでも以前の住居よりも広いところに住みたいと思うのは当然です。

国土交通省令和2年度住宅市場動向報告書再編集
「えっ!そんなに変わってない」と思われた方も多いのではないでしょうか。
そうですね。同じ、あるいは多少広めのマンションを購入していることがわかります。(平成28年を除く)
ただし、1㎡は広いですよ。1m×1mの広さです。2㎡増えると感じる広さはかなり広く感じます。


70㎡ってどんなマンション
一般的に70㎡はマンションの場合、広めの2LDK~一般的な3LDKタイプと言えます。
標準的な3LDK では12~15のリビングに4.5畳~6畳の部屋が3部屋程度と思ってください。ただし、収納は少なめな物件が多く70㎡より広くなると各部屋が広くなり、収納スペースも取れるイメージです。
家族が3~4名で各部屋の広さより部屋数を重視するマンションが多いのも特徴です。

国土交通省令和2年度住宅市場動向報告書再編集

国土交通省令和2年度住宅市場動向報告書再編集
新築マンションも75㎡以上の3LDKが多いと推測できます。
2LDKの場合だとかなりゆとりのある間取りになります。
3LDKでも75㎡になると6畳×2、8畳の3部屋、あるいは広めの収納があるイメージです。
購入後の延べ床面積は増加しています。
前よりは少しでも広い家に住みたいと言う気持ちは同じだと言えるでしょう。
元々、新築マンションを購入している人たちは、広めの家に住んでいることもわかり、前の家に比べて広い家を探しているので差が出るのが当然だと言えるでしょう。
しかし、床面積増加率も大きな違いはなく、前に住んでいた家よりも少しだけ広い家を選択していることがわかります。
また、建築された時代により部屋の作りにも流行りがあり、最近では外廊下型が主流ですが、ワイドスペース型、角部屋も人気のため増える傾向にあります。
中古であろうと新築であろうと購入者が気に入ったと言う点では同じです。
購入した中古マンションのイメージがわかりましたか。
購入者の実像を重ねると46歳会社員、家族3~4人で世帯年収が400~600万円の方が購入するマンションは築年数が10~20年で70㎡程度の3LDKタイプの中古マンションを購入している方が多いことになります。

では、次章ではなぜ、そのマンションを購入したのか、どのように探したかのかなどの購入者の購買に関する項目を確認しましょう。
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